【新ストーリー】Create New Universe【ないなら作ろう】
インベスティゲイター諸君、
@Truthseeker ことP.A.シャポー氏による調査報告が途絶えて、もうすぐ4ヶ月になる。オシリス世界ではテッセレーションの調整が行われ、ネメシスの脅威が去って以来、関係者の動向は不明となったままである。
だが広大なマルチバース空間において、我々がまだ知らないユニバースは、無数に存在している。
2018年にこの世界は「マルチバース」という世界構造を持っている事が明らかになった。我々の住むこの宇宙とよく似た宇宙が無数に存在しており、オシリスやネメシスの世界は、そのひとつに過ぎなかった事がわかっている。
そこでインベスティゲイター諸君には、未だ発見されていない新たなユニバースを調査し、ここでその様子を報告してほしい。
──その世界で「啓示の夜」は起きたのか?
──イングレス・スキャナーはどうなっている?
──ナイアンティック計画は存在したのか?あるいは中心となった別の人々が存在したのか?
──その世界のXMの状況は?アノマリーは起きているか?
報告はどのような形式でも構わない。できるだけ多くのユニバースが調査され、明らかになることを期待している。
=リュケイオン調査員 シロヤギウス=
あなたが思い描いた「イングレスの世界」の新しいストーリーを、コメントで語ってください。
- 形式は自由(小説、箇条書き、イラスト、マンガなど)。報告書形式でなくてもOKです。
- ストーリーは完結していなくても、設定だけでもOK
- 登場人物や事件は、これまでの公式ストーリーとリンクしている必要はありませんが、「イングレス・スキャナーがある世界」にしてください。アノマリーなどはあってもなくてもOKです。
※ここに記載されたストーリーに登場するすべての人物、団体、事件等は「異なるユニバース」に存在するものであり、この世界に実在する同名の人物・団体やNianticの公式ストーリーとは一切無関係とみなされます。
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コメント
公式ストーリーに沿っている必要はありませんが、参考にしたい方のために。
ざっくりストーリー総集編です。ざっくりですが長いです(笑)。
先日IQテック社から、ドローンマーク2がエージェントに配布され、これまで遠方への偵察任務、簡易補給能力に加え、他ドローンが見えるように強化された。
これは何を意味するのだろうか。
本来ドローンはステルスであったが、可視化されたことによってエージェントに撃墜される可能性が高くなった。
そこまでして、開発者は何をさせたいのだろうか?
そして、形すら変わってしまった以上、アップグレードではなく新型が配布された後、ドローンマーク1はどこへ消えたのか?
-------------
私は予想する。
これから、ポータルネットワークに所属不明のドローンが見られるようになるはずだ。
そう。それはきっと、我々エージェントが一年近く慣れ親しんだドローンマーク1の形をしているだろう。
しかし、我々エージェントの手から離れたはずのドローンマーク1は、何者かの意思によって操られているように見える。
それを解明するには、撃墜し、持ち主の元に戻る際の座標を解析する必要があるだろう。
シェイパーたちの意思なのか、別次元の勢力なのか、はたまたIQテック社の思惑なのか。
関係者が皆一様に沈黙を守る中、エージェントにドローンマーク2が託されたその意味を知ることができない中、新たな調査報告書が来るまでは、我々エージェントにできることを探っていくしかない。
多くのインベスティゲイターが集まるプロジェクト・リュケイオンのテレグラムでは、すでにその存在が明らかになっているユニバースがいくつかあるので、私からここで簡単にご報告させていただこう。
「Red Lantern」ユニバース
マグナスの面々は日本・東京の新橋駅付近にある、とある一杯飲み屋「御簾亭 華(みすてい・はな)」に夜な夜な集まり、いかがわしい密談が繰り広げられているという。店名にもなっている御簾亭 華が店の女主人だが、背後にはパトロン狩便(かるびん)氏の援助があったと聞く。常連の顔ぶれは、この狩便氏を含めた十数人とみられる。
不思議な力があるという噂の女主人が日頃はひとりで切り盛りしているが、まれに彼女が店の奥に「栄田ちゃん」と声をかけて用を言いつけている女性従業員がいるようだ。だがこの「栄田ちゃん」はいつも店の奥から声だけで返事をし、その姿を見たものはいない。
常連たちの個々の職業は定かではないが、その多くはビジネスマンまたは労働者風の出で立ちで、新橋近辺に職場があるようだ。常連のひとり織葉(おりば)氏は、人気スマートフォンゲーム「イングレス」の開発者だという噂がある。
新橋の調査会社に勤務する楼部(ろうぶ)氏はこの店の常連のひとりであったが、極端に酒癖が悪く酔うと決まって昔の女への泣き言を繰り返して他の客に絡むため、半年ほど前に出入り禁止となった。楼部氏はこのことを恨みに思い、目下この店についての暴露本「新橋赤ちょうちんの陰謀」を執筆中とか。
参考リンク:【小ネタ】ナイアンティック赤提灯 とは【飛び入り歓迎】
「ShareHouse」ユニバース
とある地方都市郊外にある大型シェアハウスで、不審な爆発事故が報告された。多数の目撃者・通報者がいたにもかかわらず、警察や消防署が駆けつけると建物に損壊の様子はなく、死者やけが人はひとりも確認されなかった。建物の住人に事情を聞いた警察によれば、全員が異様なほど興奮状態にあったが、それ以外に不審な点は見つからなかったとのこと。この事件直後に問題のシェアハウスを退去した2名の住人がいたが、事件性はなく調査は打ち切られたようだ。
ハンク「ただいまー。なんか俺が旅行行ってる間にえらいことになってた?」
キャリー「あっハンク、おかえりなさい。オリバーがまたやらかしたのよ」
ハンク「ああ…」
オリバー「やらかしたとは何だ。僕は今度こそ肉派の君たちにも楽しめるヴィーガン料理を編み出したと張り切ってたのに」
ビクトリア「これだからオリバーが食事当番だと嫌なのよ。あたし買い物行ってくるわ」
ライトマン「気をつけてねー。ところで先週のアノマリーだけど、レジスタンスが勝ったみたいね」
ジャービス「やれやれ、また我々がゴミ出し当番なのか。エンライテンド諸君には次こそ頑張ってもらいたい」
エノク「ってあんた退去したんじゃなかったんかい。いつ戻ってきたんだ」
ジャービス「うむ、高級住宅街アルティメットへの移転を考えていたのだが、内見だけで腹いっぱいになって帰ってきてしまった」
カルビン「ところでシューベルト、きみ先月の家賃がまだなんだが」
シューベルト「ああー大事な約束を思い出した!ちょっと出かけてくるわ」
カルビン「あっ!」
ADA「玄関セキュリティロック完了。オーナーの指示によりシューベルト氏の口座を凍結しました」
シューベルト「うわああああなにしやがる」
事件性がなさすぎるため、このユニバースへの調査は早期に打ち切られる予定だ。
ああ、このような貴重なチャンスをありがとう。時間があまりないので、手短にする。
皆で協力してDarkXM侵入を食い止めた作戦を覚えているか?
そうだ、世界中のエージェントによって見事DarkXMの侵入は食い止められた。
・・・この世界では
今回、「そうはならなかった世界」と偶然にもコンタクトに成功した。成功した理由は不明だ、再度できるかはわからない。
真ん中の四阿ポータルから真っ赤なDarkXMがあふれ出しているのが分かるとおもう。この世界がどうなってしまったかは不明だ。みんなでDarkXMを阻止出来て本当に良かったと思う。
こちらからは以上だ
マチコとカルミのユニバース
「うぉ〜い!まっくっれ〜!の〜び〜て〜!お〜ね〜が〜い〜!!」
バックグラウンドで短波ラジオを流していたスキャナーのイヤホンを耳から引きちぎり、いつもの儀式的な週末の呪詛をマチコは吐き捨てた「くそったれ!…」
痩せ細ったわりに大柄でその細い目には黒曜石がはめ込まれたようなギラギラした鈍い光を放つカルミという大女と出会ったのは、転居して2年目にして初めて訪れた近所にある場末のバーだった。
それからほぼ毎夜顔を合わせるたびにアードベッグをチェイサーもなしにショットで飲み続けるカルミであったが、夜の帳がうっすら消えかけた頃に「私はなんでもお見通しなんだよ〜…うふふw」というお決まりの口癖を聞きながらカルミをおぶって家路につくのがマチコの日課になりつつあった。
しかし、そんな友情に陰りが見え始め、いつしかマチコはカルミに初めて出会った頃に感じていた居心地の良い運命共同体的な精神的ハーモニーを嫌悪するようになり、(密やかに)反発的行動を反射的にとるようになっていった。「カルミの言うことにゃー賛成の反対なのだー」
マチコはいつだって人一倍いや三倍慎重だった。そして同時に矛盾する内面性も抱えており、時に大胆でもあった。
「まず疑わないと。カルミが言ってるソダシの連単なんてもってのほか!もちろん複勝狙いよ。ただし100円だけ。あとは大穴狙いで全財産ぶっこむわ!」
マチコにとって全てが手遅れになりつつあることはこの時点では知る術もなかった。このユニバースでは…
とあるエージェントから興味深いチャットがあったって、報告があったよ。さて一体 何が起ころうとしてるのかな?
送り主はsnarkと名乗る人物。エージェントではないそうだ。
「ユニバースの誕生の秘密」?
「アリスの心は空っぽ」?
それに何かが来たようだ。
エージェント諸君、一体これは何の前兆だろうか? それとも、ただのイタズラなのだろうか?
@Truthseeker how do you think?
ドローンネットの改良に関する考察[傍受記録][取扱注意][C級機密]
・以下の会話は、2021年5月*日*時*分(日本時間)にインターネット上の音声通信型交流サービスを利用してなされたものである。
・この会話には3名のユーザが参加し、この他に5名のユーザが傍聴していた。
・ユーザの氏名その他の個人情報は不明であることから、仮名を割り当てていることに留意されたい。
・この会話は何らかの方法により傍受、書き起こしされており、暗号化されたXML形式データのパケットを取得、復号した。通信経路はA級機密である。
(通話開始から*分*秒経過)
アリス:この前のアップデートで、ドローンネットがマーク2になったね。
ボブ:見た目が変わったし、他のエージェントのドローンを視認できるレイヤーが追加された。この改良は、IQ Techが開発したものかな。
アリス:そうじゃないの。マーク1はIQ Techが開発したものだったでしょう。
キャロル:いや、そうとも限らないよ。今回、IQ Techはプレスリリースを出していない。何か裏の事情があるのかもしれない。
ボブ:君もそう思うかい。
アリス:どういうこと?
ボブ:私の推測は、IQ Techとは別の組織が、修正プログラムを組み込んだものがマーク2だというものだ。
キャロル:そうね。ただ、別の組織じゃなく組織内での対抗行動かもしれないよ。
ボブ:たしかに。早とちりしてはいけないね。もっとも、これはエンライテンドとレジスタンスの思想的対立が根底にあると思っているよ。
アリス:そういえば、ドローンネットの開発責任者はエンライテンド陣営だと聞いたことがある。
ボブ:私も同じ認識だ。そして、IQ Techの中か外かは分からないが、レジスタンス陣営がマーク2への修正を遂行した。
アリス:おもしろい仮説ね。でも、エンライテンドとレジスタンスの対立が、どうしてドローンの改良……修正という形で現れるの。
キャロル:それを理解するには、ドローンネットがなぜ開発されたか、そしてエージェントの活動にどんな影響を及ぼしたかを考える必要があるの。
ボブ:そもそもの発端であるNIAの思惑はさておき、宙に浮きかけていたドローンネット構想を実現させた背景は、世界的に流行しているウイルス感染症だ。感染症対策として人々の行動が制限され、もちろんエージェントもこれまでより活動しづらくなる。
キャロル:エージェントがポータルを訪れたり、コントロールフィールドを作成したりすると、そのバックグラウンドではポータルネットワークの調査が行われているの。IQ Techはその調査を停滞させないためにドローンネットを実装した。
ボブ:まったく同意するよ。しかし、ドローンネットの使用が開始されると、予期せぬ効果が現れ始めた。副作用と言ってもいいかもしれない。
アリス:それは何だったの。
ボブ:一言で言うと、身体と精神との調和が乱れることだ。精神が身体から瞬間的に解脱する現象が頻繁に発生するようになったんだ。
アリス:そんなことが起こっていたの。つまり、エンライテンドが理想とする状態ということね。
キャロル:そう、瞬間的な解脱だから、理想にはまだまだ遠いのだけど。それでも、全てのスキャナでドローンネットが使用でき、あらゆるエージェントがそれを経験しうる状態が続くことは、レジスタンスにとって見過ごせなかった。
アリス:なるほど。でも、ドローンネットがどうして精神の解脱を引き起こすの。
ボブ:いい質問だ。まず、ポータルをハックすると、エージェントの精神がスキャナを介してポータルネットと交信を行う。そのとき、精神がごく短時間ではあるが、身体を離れてポータルネットワークに入り込むんだ。従来の研究では、およそ10マイクロ秒という測定結果が出ている。
キャロル:それはエージェントがポータルの有効範囲内でハックした場合ね。
ボブ:そうだ。しかしドローンネットによるハックを行った場合、エージェントの精神はスキャナとドローンネットを介して数キロから数百キロメートル離れたポータルへ移動する。このとき、解脱状態は100マイクロから1ミリ秒のオーダーになるという仮説が提唱されているんだ。
アリス:ドローンネットとの距離に応じて解脱時間が延びるということね。でもそれはまだ仮説の段階だと。
キャロル:ドローンネットを使用していないエージェントや、近距離でしか飛ばさないエージェントも多いから、データがまだ不足しているみたい。
ボブ:しかし、この仮説をレジスタンスは危険視した。そしてマーク2への修正を敢行したんだ。
アリス:それは、解脱時間が短縮されたということかな。
ボブ:それを示す材料は今のところないね。もちろん、精神をドローンネットへ転移する速度を引き上げる研究もされているだろうから、すでに実装されているかもしれないし、将来的にそうなるかもしれない。
キャロル:重要なのは、ドローンネット・レイヤーによって陣営を問わずドローンネットが可視化されたことね。
ボブ:そうだ。ドローンネットをエージェントの元へ強制帰還させることが今までより簡単になった。
アリス:つまり、エージェントを離れて遠距離航行するドローンネットを減らすことで、精神の長時間解脱が起こる可能性を抑え込むということね。
キャロル:もっとも、これはごく応急的な対応だと思う。効果は限られていると思うから。
ボブ:だからこそ、IQ Tech、もといエンライテンド陣営も様子見をしているのだろう。もし劇的な効果があるような修正だったら、すぐに巻き戻していたはずだ。
アリス:マーク2になったことでドローンネットを使用するエージェントは増えたみたいだし、IQ Techが求めている調査データは集まりやすくなったでしょうね。
ボブ:その通り。だが、今後どうなるかは予断を許さないよ。
キャロル:IQ Techがマーク2の実装をどのように発表するか。社内の体制に変化があるか。エンライテンドとレジスタンスの水面下の動きも。
アリス:まあ、私は陰謀論者じゃないからドローンハックの実績を伸ばすことに精を出すつもりだよ。
ボブ:お好きなように。そう簡単に信じてもらえるとは思っていないよ。
キャロル:今日は有意義な話ができたね。ありがとう。
ボブ:また来週、ここで。
アリス:楽しかったよ。ハッピー・ハッキング!
(通話終了)
リュケイオン調査員・シロヤギウスに関する調査報告
守秘分類:機密レベル6 / 紙媒体のみ / 持出厳禁
担当調査員:Hfbyoeoximh
概要:
これまでリュケイオン調査員シロヤギウスは、紀元前5世紀頃の古代ローマから、何らかの方法で現代へやってきたとみられていた。しかし本人への聞き取り調査及び各種史料による裏付け調査の結果、同調査員の出自は「この世界の過去」ではなく別のユニバースである可能性が浮上している。以下は同調査員への聞き取り調査から一部を書き起こしたものである。
シロヤギウスの証言:
──さあ、ここみたいに西暦とかはなくて、年を数字で数えてなかったんで、あれがいつ頃だったのかは正確にはわからないんだよ。私はクロトンという田舎町にある、とある秘密教団の学徒だった。
──すっごく偉い先生がいたんだけどね、普通なら私のような下っ端は先生の姿すら見られないもんなんだけど、ある日急に先生に呼び出されたんだ。
──呼び出された学徒は、私を入れて12人いた。先生デタラメに選んだんじゃないかというくらいに、全員が成績もキャリアもバラバラで、共通点はなにもないように見えた。教団は13という数字と三角形を重要なものと考えていたので、たぶん先生を入れて13人になるように選んだんだろう。
──私達はそれぞれ遠方へ派遣されて、現地の文明や学問のことを調査してくるよう指示された。そして一人ひとりが掌くらいの大きさの真っ黒い石版を渡され、奥の部屋にある棺の中に寝かされた。どうやらよほどの極秘任務らしくて、私達は行き先すら教えてもらえなかったんだ。私は棺の中で一夜を明かし、目が覚めて蓋を開けてみたら、もうここにいたってわけだ。道順がわからないように、棺ごと運ばれたんだね。一緒にいた他の連中がどこへ派遣されたのかは知らないよ。
──ここに来て調査を続けるうち、私がいた教団について書かれている資料を偶然見つけたんだ。でもその資料には、教団はとっくの昔に解体していて、先生も死んだとあった。それでまぁ、どうやら私は未来の世界にタイムスリップしたんじゃないかと、あとになって考えたわけだ。
考察:
証言にある「教団」は非常に規律が厳しく処刑の恐れもあるとのことで、これ以上の詳しいことは本人からは聞き出すことができなかったが、本人が元いたと考えている時代、場所などから、同調査員が所属していたのは░░░░░░░░░教団であった可能性が高い。
教団創設者であった哲学者の░░░░░░░░░はかつてエジプトで宗教密儀について学んでいたと言われており、この時に秘密結社13マグナスの前身とされるオシリス・カルトへも接触した事が考えられる。あるいは░░░░░░░░░自らも構成員であったかも知れない。「石版」は現代のスキャナー、「棺」はマグナス・ネスト(アバドン)を意味しているのではないかと思われる。(つまりシロヤギウスは既にシミュラクラである可能性もある)
また証言から推察するに、░░░░░░░░░が有していたマグナス・ネストには現在のRPE(リモート・パーティシペーション)と酷似した技術が用いられており、シミュラクラは生成と同時に別時空へ転送されると考えられる。
史料によれば同教団内ではコペルニクスよりもはるか以前から地動説が信じられており、地球が球体であることや、現在の太陽系に近い概念さえも既に存在していた。シロヤギウス同様に、当時/当地よりも学術的に進んだ文明の調査に派遣された者がこの情報をもたらしたと考えれば、こういった点にも合点がいく。
しかしながらシロヤギウスの証言の一部は░░░░░░░░░教団について残されている史料と細かい点で異なっており、本人が記憶違いまたは嘘をついているのでなければ、シロヤギウスが所属していた教団はこのユニバースにかつて存在した同名の教団とは似て非なるものである。
以上の考察から、マルチバース内にはこのユニバースと大幅に文明的時間軸がずれたユニバースが存在しているという仮説が導かれる。もしこれが証明されれば、逆にこちらからRPE調査を行うことで、このユニバースの考古学研究にも大きく寄与する可能性があり、調査員シロヤギウスに対するさらなる聞き取り及び検証が求められる。
snarkなる人物に関する続報です。
5月13日深夜にリュケイオンテレグラムに加入。「PACを探しているのだが情報ないか?」と、PACの居場所を探している模様。また、リュケイオン調査員とのチャットで、「she多分女性も探しているように思われる。
引き続き報告を続けます。
とあるAGの独白を秘密裏に入手しました。別のユニバースとの交錯がアノマリーの前に起きていた可能性が示唆されています。
近所の通りの脇に、キラキラするものがあった。ものというか、場所というか、うまくいえないのだけど、それは物心ついた頃には既にあったように思う。
一度母に、
「キラキラ、きれいねえ」
と指差して教えたのだけど、どうも母には見えなかったようだった。額と眉間に一瞬皺を寄せ、
「埃か虫でしょ」
と素っ気なく返された。せっかく教えてあげたのに、面白くなかった。座り込み、口を尖らせ、動かない私を小突くと、母は引きずるように帰宅した。抱っこしてはくれなかった。
その日の夜、トイレに行きたくて目が覚めた。遅くに帰宅した父に向かって、
「あの子変なものが見えてるんじゃないでしょうね。嫌だわ…」
と愚痴っていたのが聞こえた。悲しくて、悔しくて、その話は誰にもするまいと決めた。
◇
都市部からは程々離れた田舎で育った私も、中学生になる頃には行動範囲も広がった。相変わらず学区内からは出ないきまりがあったとはいえ、小学校の学区より何倍も広いその地域は、自転車で移動するようになるとなかなかに広い世界だった。そして、いくつか気付いたことがあった。
他の所にも、キラキラするものが意外とあるのだ。キラキラしてる日と、キラキラが少ない日があったり、目立つ石碑辺りは高確率でキラキラしてることにも気付いた。近所の通りの脇にあったキラキラは、小さな頃には気付かなかったお地蔵さんがいた。神社もキラキラ、お寺もキラキラ。意外なところに見つけるお社のキラキラが好きだった。近所に奉られているのがお地蔵さんだったり観音さんだったり、恵比寿さんだったりするのも知らなかった。
ある週末、数キロ先から栄えだす微妙に田舎な地域に、見慣れない人が多く現れた。母は、
「歩きスマホっていうの? みっともないったら」
と大きな声で嘆いてみせるが、私は気付かなかったフリをして日課の散策に出かけた。
田舎で余所者は目立つよね、と遠目に旅行者?を眺めると、いつものキラキラが急に減って驚いた。キラキラが少ない日があるのは気付いてた。でもキラキラが減る所を見るのは初めて!
慌てて現場へ駆け寄る。でも何をどう説明する?見えない人に説明出来る程私は何を知ってる?
「こんにちはー」
人の良さそうな帽子にリュックの青年に先に声をかけられた。どきりとやけに心音が響く。
「こんにちはー。何してるんですか?」
平静を装えただろうか。無害な中学生に見えるだろうか。
「ちょっと地域の歴史的遺物なんかの調査をしてるんですよ。自分みたいな人が急にたくさんウロウロしてたらびっくりしますよね、ごめんなさいねー」
さっと伏せられたスマホは見られたくない情報でもあるのだろうか。そして調査というものの、スマホ以外はほぼ手ぶらに見える。リュックも背負ってはいるものの、荷物を出し入れする様子もない。正直怪しい。
「お社に詳しいんですか?」
「ここは地域の子供祭りなんかで人が集う観音様を祀ったお社ってことは知ってるよ」
へー。
「あと、この通りの信号二つ先にお地蔵さんがあるとか、そこから左に入って2つ目の角を右に折れてすぐの祈念碑が戦時中に建てられたのも知ってる」
そんなの多分同級生もその親世代も知らないと思うんだけど。どこで調べてくるんだろう。
「僕は調査メインだけど、全員がそうじゃないから、全員が僕みたいに詳しくはないかもしれないけどね」
へー。ほー。ふーん。
それ全部、キラキラスポットですよね。この人、キラキラ見えてるのかな。もしかして、私の他にも見える人意外といるのかな。馬鹿にされずにこの話出来るのかな。怒涛のように思考が流れる。が、どう言葉にしていいかわからない。
「あ、割と興味ある感じ?」
「興味あります!」
若干食い気味に答えてしまったけど、お兄さんはにこにことスマホの画面を見せてくれた。
暗い背景は簡易版の地図っぽく、お社から光るラインが伸びている。遠くにも光る場所は何ヶ所か見えていて、光るラインはその内の一カ所と繋がっていた。
「一応、スマホのゲームアプリという体裁をとっているからね。入れるなら親御さんにはお散歩アプリって言っておくといいよ」
お兄さんは話しながらスマホを操作する。中央付近の光るアイコン?に触れると、お社の名前と詳細のメモ、そして画像が表示された。
「こんな地方の片田舎の情報も載ってるの?」
「あはは、それを補完するのも我々エージェントの役目だからね」
エージェントって…代理人?だっけ? スパイとか調査官もエージェントなんだっけ? 疑問が次々と浮かんでは消える。
「スマホ、まだ持ってなくて」
興味津々に覗き込んでみるものの、ちょっと難しそうでよくわからない。スマホのゲームはカラフルなパズルゲームくらいしか見たことがなかったから、SFっぽくてちょっと大人向けな気がした。
「そっかぁ、じゃあスマホ買った頃に思い出したらやってみてね」
そういうと、リュックから四角い箱を取り出し、束になったカードの一枚をくれた。名刺というよりトレカみたいで、裏面に英語の文章とQRコードがあった。多分どこかのサイトへの誘導用のプロモカードなんだろう。
「こういうの続けてるとね、不思議とポータルのある場所、スキャナ通さなくてもわかるようになるんだよ」
ポータル? スキャナ? 知らない単語に困惑する。キラキラが見えるようになってくるのかな? 後天的に? 他にも見える人がいる?
戸惑いつつもカードを眺め、あとで英和辞書引こうと心に決めた。
「公式のサイトと別に、プロジェクト・リュケイオンで検索してみると、ストーリーや歴史がわかってオススメだよ」
「ありがとうございます」
「あと、明日はもっとたくさん僕みたいな人がわらわら湧いてくるけど、悪さはしないし、むしろ地域に金落として帰るから、大目に見てね」
調査隊?が来るほど、特別な地域なんだろうか。何か地元から新しい発見があるんだろうか。
「ちょっとしたお祭りみたいなものだよ」
お兄さんはまた縁があればと言い残し、地元民しか通らない路地へ消えていった。
家に帰って辞書を引いてみたけど、結局裏面の文章はあまりよくわからなかった。調査書らしきもので、異常について複数回調査を実行したエージェントの記録?なのかな?
入口が光学読取装置?走査装置?を使わなくてもわかるようになる、ということは、普段はわからない、もしくは隠されている入口?があるってことで合ってる?…頭がぐるぐるする。難しい。
辞書をぱたんと閉じる。しおり代わりにカードを挟んで、そのまま存在を忘れてしまった。
◇
高校進学が決まり、3つ下の弟に辞書をお下がりで渡すことになった。スマホを買った日に弟から、
「これもう捨てていいやつ?」。とカードを渡されるまですっかり忘れていた。受け取り、スマホでQRコードを読んでみたが、そのURLは存在しなかった。あの日調べなかったリュケイオンがふと頭をよぎった。
検索してみると、プロジェクト・リュケイオンは、あった。膨大な量の情報にどこから手を着けるか迷ったが、幸い入門書が用意されていたのでそこから手を伸ばす。ざっくり読み進める中、稀に出てくる画像に大きな違和感を覚えた。私の見せてもらった画像と、違う。
ストーリー的に、世界がシフトしていた。誰も気付かないうちに、いつの間にか。でも別の世界線に影響を与える事象もあって。
ねえ、あのお兄さんはこっち側の人だった?
それとも、私のいた世界線がここと違ってる?
何が本当? どこまでが設定?
私のようなキラキラが見えるのは極稀で、そういう人をセンシティブというそうだ。そういえば、お兄さんは言っていた。ゲームアプリという体裁を取っている、と。これはゲームではない、とか、ゲームだ、とか、つまりゲームに見せかけた何かだということなんだろうか。
私は、このINGRESSをインストールして、本当に大丈夫なんだろうか。見えることはまだ誰にも言えない。謎の男が迎えにくるなんてご免だ。でも、でも。もう一度お兄さんに会えたら、聞きたいことがたくさんある。だから。
ストアでアプリをダウンロードする。
あなたの周りの世界は、見たままのものとは限らない。
SFドラマの「新スタートレック」(ピカード艦長のやつ)のエピソードで強烈な印象が残った回がある。
亜空間の歪みのせいで、30万通りもの複数の並行世界が交わり、各世界のエンタープライズ(主役艦)が多数出現してしまう。
他世界の艦たちと話し合い、なんとか亜空間の歪みを修復しようとするんだけど、中にはピカード艦長が敵のボーグによって既に殺され副長のライカーが艦長になってる世界の船もあり、「(自分の世界では故人の)懐かしいピカード艦長にお会いできて良かった」と語ったり
ボーグによって滅亡寸前の世界のライカーが「もう人類は俺たちしか残ってない(から元の世界に戻りたくない)!」と捨て身の特攻して別の世界の自分達に撃沈されるシーンがあったり(そんなことしそうもないキャラなのに人間追い詰められるとこうもなるのかと個人的にショックを受けた。)
同じ登場人物達が、何かの差で違う歴史をたどっている別の並行世界が多数存在していた。
Ingressのストーリーも、多数のノード(世界)が並列的に存在する。ネメシスシーケンスの最中、ネメシス仮面の一人「クーリエ」としてオシリス世界に現れたのは何故か1218世界のハンクジョンソン。
他の変態ネメ仮面たちの正体は全部ネメシス世界の研究者達だったのに、なぜハンクだけがネメシス世界ではなく1218世界のハンクジョンソンだったのか。
それは、どの世界の歴史でもアフガニスタンの調査中に一度死に、シミュラクラとして蘇るはずのハンクが、どうやらネメシス世界では死んだままだったからのようだ。その穴を補充したのが、1218世界からノードを渡って来たハンクジョンソンだった。
並行している世界の間で、キャラが行き来したり、影響を与えたりするのがingressユニバースの複雑怪奇なところ。
各ノードは似ている。同じようなアノマリー が起こり、顔は違っても同じ名前の研究者たち、同じ名前のXM企業が存在している。
既に本編で判明しているノード(並行世界)は3つ。
①我々が2012年から2018年まで過ごした1218世界。②プライムスキャナーと共に訪れた今我々がいるオシリス世界。③シェイパーとナジアにより滅ぼされたネメシスの世界。
各ノード間には近さがあり、あるノードで溢れたXMを流し込まれた隣のノードで啓示の夜が起こっていたようだ。そしてまた溢れたXMは次のノードへ。連鎖反応。
ネメシスの一人であるアンブラが語っていたことを信じるなら、彼女(正体はネメシスミスティハンナ)は少なくとも他6つのノードに遠隔侵入し、クレーゼ(のシミュラクラ)を葬っていることが以下で分かる。
https://ingress.lycaeum.net/2019/07/20190709-113710.html
ネメシスの世界とオシリスの世界は、辿った末路こそ違えど、かなり近かった(出てきたキャラの顔も性別も同じ)らしく、二つの世界は危機回避の手段として最終的にテッセレーションを共有しネメシス事変は解決した。
1218世界とオシリス世界も、13人の研究者が出てくる点、同じようなアノマリーが発生した点では似通っていた。ただし、辿った歴史は少しずつ違っていた。
ご存知の通り、ingressのストーリーは(一応)アノマリーで分岐する。ifである「アノマリーで選択されなかった選択肢」により、ノードは無数に分かれている可能性がある(諸説あり)。それから予想される他のノードはどんなものだろうか。
1.アバドンでエンライテンドが勝った世界線から生じるノード
最初のアバドン(グローバル)はレジスタンスが勝利したため、アバドンに封じられた研究者たちは人間に戻れなかった。シミュラクラとして過ごすことになってしまった。
もしエンライテンドが勝っていれば、13人の研究者たちはその時点で人間に戻って、ナイアンティックマグナスは解散。
その後に起こるオブシディアン、イージスノヴァよりも先に次のマグナス総選挙(FateOfThe13)が起こっていたかもしれない。
ジャービスも人間として蘇るからアコライトも表舞台に出てこず、ViaLuxも、ViaNoirも発生せず、オリバーのテクトゥルフ研究も進まなかったかもしれない。
2.リカージョンプライムでエンライテンドが勝ったノード
リカージョンプライムの勝利褒賞は新ハンクジョンソンである「オシリス世界のハンク」の陣営決定だった。
この影響は意外と大きく、その後に行われたオペレーションコラン(離島ゴーラック)が緑と青のハンク対決になったり、アバドンプライムで使えるRESの勝利陣営特典とされた「好きな都市戦にハンクを呼んでメディアガバガバ出させる権」を最終戦のシカゴで活用しRESが劣勢をひっくり返した為、オシリス世界の総合勝利はRESとなった。(勝利メダルが青くなった)
(写真はハンクを工員に扮装させて車で隠密移動を行ってた方たち)
もしリカージョンプライムの結果が違ったとしたら、ENLになった新ハンクとその恋人?であるRESジャハーンとの関係、その後ネメシスに囚われられた閉鎖空間でイチャコラしてた元カノのRESデブラとの関係も、少しずつもっと修羅場ってたかもしれない。(それはそれでちょっと見てみたい。)
3.イージスノヴァでRESが勝ったノード
RESが勝っていれば世界中のハードディスクに分散し隠れてたADAは、ENLに一部をゼロ上書き攻撃をされないで済むため、その直後にポータルからADAリファクターが出なくなる事もなかった。
レジスタンス・ニューウェイブという派閥の人たちの肉体に、機械を埋め込んでADAが隠れる事もなかったはず。
レジスタンスニューウェイブの動きに反応していたアコライトの動きや、その後テクトゥルフに傾倒していくオリバーの動きも変わっていたかもしれない。
ストーリー外でも、もしイージスノヴァ東京でENLが負けていた場合、(世界のENLガチ勢が成功体験を一箇所で共有出来なかったことにより)後に行われたFateOfThe13をENLがここまで世界中円滑な連携により圧勝するのは難しくなっていたかも知れず、勝利陣営が決めるマグナスの解体が変わった形になっただろうことは予想できる。
以上のように、それぞれ少しずつの違い、アノマリー戦の結果により、ノードは無数に存在している可能性がある。
1218を戦っていた我々一般エージェントがなぜオシリスノードに来てしまったのか。ネメシス事変の後に、さらに別のノードを知ることになるのか?
我々はもうしばらく時を待たなければならない。
私からの呼びかけに、多くの調査員から報告が寄せられたことに感謝している。
かくいう私自身もひとつ調査をしてきたので、ここで報告しよう。
…えっ?古代ローマ?秘密教団??…ああ確かにそういったインタビューに答えた記憶はあるが…極秘にと言ったのに、やはり漏洩してしまったのか…うーん。
まあいいや。
スペクトラム・ユニバースに関する調査報告
さて取り急ぎではあったが、手っ取り早くアクセスできそうなユニバース「スペクトラム」の調査に出向いてきた。一見したところ、この世界と文明や技術進歩の程度は変わらないようだった。
現地のXM状況を調査するために、向こうで改めてスキャナーをインストールしてみたのだが…
…なんだこりゃ。
陣営の選択画面が何やらおかしい。どうやらこの世界のスキャナーは、我々の世界とは微妙に仕様が違うようだ。ひとつひとつ検証する時間はなかったので、初心者のフリをして、そのへんにいたエージェントに話を聞いてみた。
どうやらこの陣営選択画面で▲をスライドして、自分の思想を「傾向(Tendency:以下テンデンシー)」で設定するらしい。完全な中央を選ぶことはできず、中央より右寄りならRES、左寄りならENLになり、中央から離れるほど陣営思想が強く反映されるようだ。陣営変更はいつでもできるし、テンデンシーも変更できるとのこと。
その他、このエージェントから聞き取った「スペクトラム・ユニバース」のイングレス概要は次のとおりだ。
現地エージェントの証言(要約):
※こちらの世界に比べてかなり複雑なので、面倒な方は折りたたみ部分を読み飛ばしていただきたい。
・エージェントレベルやそれに伴う機能(ハック、デプロイ、リンク、CF)に違いはない
・ただしポータルのアップグレードが陣営に関わらず可能で、レゾネーターの組み合わせによってポータルのテンデンシー、構築されたCFのテンデンシーは無段階に変化する。アップデートの影響によりCFのテンデンシーが他陣営側へ寄った場合、CFは破壊されることなくMUが他陣営へ移動する。
・破壊はこちらの世界と同じで、他陣営ポータルしか壊せない。反転アイテムを使うと、同レベルのテンデンシーを保持したまま対象陣営に変わる。つまりRESテンデンシーが強いポータルを反転すると、同程度に強いENLテンデンシーを持つポータルに変わる
・スコアシステムも異なっており、両陣営の獲得MUのほか、全人口の思想傾向(GT:グローバル・テンデンシー)が表示される。両陣営のMUが拮抗している時、GTは「中立」となるようだ
・レゾネーターの組み合わせによるポータルのテンデンシー、さらにその組み合わせによるCFのテンデンシー及びグローバル・テンデンシーの詳細な計算方法は公開されているようなのだが、非常に複雑で逐次アップデートされてしまうためか、このエージェントからは聞き取ることができなかった。ごく一部に熱心な研究を行っているコミュニティは存在するが、大多数のエージェントは関心が薄いようだ。
・また、こちらの世界にはない「ポータルワクチン」というアイテムが存在し、これが設置されたポータルは陣営に関わらず減衰スピードが加速する
…という感じなのだそうだ。
また同エージェントによると、ルール上は我々の世界と同じ2陣営の競争なのだが、こういった仕様から自然発生的にエージェントの間で「白陣営」とも言うべき中立派が生まれ、スペクトラム・ユニバースでは事実上3陣営戦の様相となっているようだ。だが「白陣営」と他の2陣営との境界が曖昧なため、時期によって常に勢力が変動しているという。
それによるトラブルは起きないのだろうか?と尋ねてみたが、意外なことに特段こちらの世界に比べて問題が多いということもないようだった。
ちなみに、ストーリーの方はどうなっているのか気になって、それも尋ねたのだが、やはりこのユニバースでもストーリー勢というのはマイナーな存在らしく、このエージェントから詳しく聞き出すことはできなかった。これについては改めて調査する必要がありそうだ…。
=リュケイオン調査員 シロヤギウス=
白と赤の世界
私も未知のユニバースを調査することができたので、その様子をお伝えしようと思う。しかしまだ短期間の調査しかできていないので、断片的な情報提供に留まることはご容赦いただきたい。
私たちのユニバースでは、エンライテンドとレジスタンス、緑と青の陣営が覇権を争っている。しかし驚いたことに、私が発見したユニバースに存在した陣営は「白」と「赤」だった。
以下に、調査結果を書き記す。しかし忘れないでほしい、「世界は見たままとは限らない」ことを。
「白」と「赤」の2つの陣営が争うユニバース。この世界にも、「オシリス」のような名前が必要だろう。この報告では仮に「ミソ・ユニバース」と呼ぶことにする。
「ミソ・ユニバース」が仮称であるのに対して、陣営の呼び名ははっきりと把握することができた。白陣営が「パシフィスト(Pacifist/平和主義者)」、赤陣営が「ケイオシスト(Chaosist/混沌主義者)」だ。
ミソ・ユニバースではパシフィストが明らかに優勢だ。地球全体をスキャンすることはできていないが、調査済みの範囲では人数でも、支配する面積でもケイオシストをはるかに上回っていた。
ここに、ミソ・ユニバースの状況を、私たちに馴染み深いインテル・マップの模式図を使って説明しよう。
・緑、青、白のポータルの他に、赤のポータルと赤のリンクが観測できた。
・赤のポータルは私たちの知っているもの、即ちカオティック・マターに満ちたポータルであることが分かった。ダークXMとも呼ばれるカオティック・マターは、とあるユニバースのクリストファー・ブラント博士が自らの計画に利用しようとしたことが知られているし、私たちのポータル・フラッカーやAPEXの生成にも使われているものだ。
・左側のパシフィストが支配する地域では、全体的にポータルが少なく、そのほとんどが白い中立ポータルだ。リンクやコントロール・フィールドは見られない。
・それに対して、右側のケイオシストが支配する地域では、ポータルが多く、赤いカオティック・ポータルがリンクされており、パシフィストの支配地域との境界を形成している。地域の内部には緑や青のポータルがあるが、リンクはされていない。またいずれの色のCFも見られない。
このような状況がなぜ生まれたのかを調べると、私たちのユニバースと似ているようで異なる、ミソ・ユニバースの歴史が分かってきた。
・太古からXMやポータルは存在し、XMセンシティブも存在した。センシティブたちはその能力を生かして人々の指導者となり、文明を発展させていった。
・ミソ・ユニバースの現在の文明度は、私たちのユニバースに置き換えると中世のレベルだと言っていい。したがってスキャナーはまだ存在すらしていないが、XMに関係するオブジェクトは多数あるようだ。
・しかし、センシティブが統治する国同士の争いが激しくなる。多数の国家が2つの陣営に分かれ、ついには「終わりなき戦い」と呼ばれる長期戦争に突入してしまう。疲弊していた両陣営の市民が蜂起し、それぞれの指導者を処断することで「終わりなき戦い」は終結した。
・人々はセンシティブを戦犯として敵視し、自らをパシフィストと称するようになった。そして非センシティブが統治する連邦制国家と、ポータルとセンシティブを監視する「白の騎士団」をつくった。このパシフィストの国家体制は約300年続いている。
・白の騎士団の任務は大きく分けて3つある。センシティブを発見・登録して監視すること、危険なセンシティブを逮捕して刑罰を与えること、ポータルを鎮静化することだ。ポータルの鎮静化には、物理的な破壊活動の他に、過去の遺物というべき特殊な鏡が使用されるらしい。
・センシティブは監視・迫害され、20年ほど前から一部が逃れて集住するようになった。そして経緯は不明だがカオティック・マターを操るようになり、パシフィストは彼らをケイオシストと呼んだ。
・白の騎士団はケイオシストを討伐しているが、ケイオシストの戦闘集団はXMセンスを生かすだけでなく武装でも優れていて、仄聞したことを総合するとライフル銃を使っているようだ。
ミソ・ユニバースにおけるポータルを巡る戦いはどのようなものかについても調査を進めた。
・白の騎士団は先述の通りポータルの鎮静化、つまり中立化と消滅工作を行っている。ポータルが出現したと判断されると、建物などの破壊と鏡を使った儀式が行われる。私が確認したところ、鎮静化が行われた場所はたしかに中立ポータルであった。また鎮静化から数か月経っているという空き地はポータルであるところと、そうでないところがあった。
・一方で、パシフィストの支配地域でも緑や青のポータルが存在している。まだ騎士団に察知されていないポータル、鎮静化されたあとで再びキャプチャーされたポータル、そして何もないはずの場所(例えば草原のただなか)にあるポータルを発見した。
・隠し持っていたスキャナーでは、ポータルの存在を確認することはできたが、ポータルの名称は文字化けを起こしていて判読できなかった。また不思議なことに、レゾネーターやMODは確認できなかった。
・白の騎士団の活躍を使える資料によると、騎士団はケイオシストの赤ポータルに対しても同様の鎮静化を行っている。
・ケイオシストは、パシフィストの支配地域に近い「前線」のポータルを発見するとキャプチャーする。これには「礎石」と呼ばれる、レゾネーターに相当する道具を使っている(この礎石にダークXM結晶が使われていると推測される)。同様にリンク作成にはポータルキーに相当する道具がある可能性が高い。
・ケイオシストが支配する「後方」にはやや高密度のポータル群が存在し、その多くは緑または青ポータルである。しかしそれらが「エンライテンド」「レジスタンス」と呼ばれているかどうかは不明である。
・ケイオシストが緑・青ポータルをどのように扱っているかは不明だが、少なくとも積極的に中立化または礎石を用いてのキャプチャーはしていないようだ。
以上の調査結果を踏まえて、私が関心を持っているのは次のようなことだ。
・過去、そして現在のXMテクノロジーはどのようなものか?
・ケイオシストは緑・青ポータル群とどのように関わっているのか?
・CFが見られないのはなぜか?
・ミソ・ユニバースにもマグナスは存在するか?
・ケイオシストの文明度はパシフィストに比べて発展しているか?
・ミソ・ユニバースと他のユニバースはどのように影響し合っているか?
私は今後も調査を継続するが、諸君からの感想や助言は大いに歓迎する。
|通信ログ|
ユニバース<検閲済>に残ってしまった「最後の研究者」からユニバース<オシリス>へ移動した「エージェント 司アキラへ」
俺も本当に言うべきかどうか悩んだ。
言わなければお前も俺もこれまで通り活動を続けていくことができる。文字通り、今までどおりにな。
だが、やっぱりそれじゃだめなんだ。偽りのなかで生きていてはだめなんだ。
それに、もう俺には時間がないんだ。
今、俺はお前に真実を告げる。
既にこのユニバースに対してスキャナーでXMに
干渉しているのは
俺と
お前だけだ。
正確に言うなら、もうこのユニバースには俺一人だけ。だか...
驚いたか?驚くはずないよな。
お前も知っているはずだ。だがそれが事実だ。
辛かったぜ。お前がオシリス世界にジャンプするまで。
君も知っての通り、俺は何十台ものスキャナーに囲まれ毎日エージェントごっこに興じていた。当然、君がオシリス世界へ移動できるXMエネルギーを保持するためだ。
みんながなんらかの原因でオシリス世界に移動して以来、この世界に存在するエージェントは、俺とお前だけだった。
お前が初めてXMに目覚めた時と、富士急ハイランドのエピソードは何度も語ったな。
俺の人生であれほど嬉しかったことはなかったぜ。
必要に迫られ、お前のガーディアンポータルを焼いたりもしたな...許してくれ。
今、この世界はとても平和だ。
「啓示の夜」は起きなかった(ことになっている)し、オシリス世界のようにマスクだらけの世界にもなっていない。当然、シェイパーもナジアもいない世界だ。
このまま行けば、お前の真の計画通り、諸悪の根源であるポータルネットワークも、じきに閉じるだろう
だが全てが平和になった訳ではない。そう他でもない「俺」の存在だ。
お前がいなくなってからスキャナーを使うと、CERNのシステムに「未知の粒子」の誤検知が相次いだ。
当然、理論上予想されていたことだが...やはりつらいことだ。
理論上?予想?とお前は思うだろう。そうだ。俺はあること黙っていた。
「このユニバースを平和にする。すなわちXMを消し去るには、スキャナーと、それを一度でも所持した者を消すしかない」
わかったかな。わかっただろう。お前ほどの天才なら一瞬で理解しただろう。
そして、俺はこのCommを打ち終わったら、それを行動にうつすつもりだ。
「真の平和へ」の「生贄」になりたくないのが本音だ。
しかし、再びあの悲劇、啓示の夜を繰り返してはならない。その気持ちだけが俺を動かしている。
本当に済まない。
結果、お前を騙した様な形になってしまって。
だが、センシティブであるお前を生き残らせる手段はこれしかなかったんだ。
と、今話せるのはここまでだ。もうすぐすべてを知るときが来る。
ユニバース・ジャンプの影響で、俺の顔を忘れてしまっているかもしれない。
だが、これは。これだけは、いわなければならない。
心の準備をしておいてくれ。
司アキラ、ありがとう。
ずっとお前が好きだった。
幸せになれよ。
エージェント<検閲済>
新しく観測されたヘクスユニバースについて
我々の観測範囲の中でも異質なユニバース(仮称としてヘクスユニバースとする)について、調査で得られた情報をここに記す。
まず、このユニバースの異質な点として、円筒形のようで円筒形ではない、ドーナツ状のようでドーナツ状でもない地表構造が挙げられる。当初球状と思われたのだが、調査を進めると、緯度が変わっても一周の距離が変わらないことに気付いた。円筒形かと推測されたが、続く調査で驚くべきことが発覚。極を目指すと対極から現れるのである。ドーナツ状であるとすればドーナツの内側と外側の外周距離に違いが生じる筈なのだが、それもない。まるで2つの円筒の性質を同時に兼ね備えているかのようである。極地方で外因により転移される事も疑ったが、確認出来る範囲内ではそれも否定されている。
次に、リージョンのセルの形状が菱形ではなく正六角形であることが挙げられる。これはヘクスユニバースと仮称する由来となっている事象である。全体で121(11×11)とこちらの感覚からすればかなり広範囲が一つのセルとして扱われるようだ。
基本的に2陣営及び陣営に属さない無所属のポータルがあり、ガーディアン(青)とリベレーター(緑)で争う様はこちらと大きく違いはない。しかし、ヘクスユニバースでは地表が大厄災(こちらでの啓示の夜に相当するXM流出)で壊滅状態になっており、海中ポータルを巡って争っているのが特徴的だ。我々にとっておなじみのスキャナ(携帯アプリに偽装)は開発されておらず、インテルマップで動向を確認し、ドローンとアンドロイドへ指示を出す事でXMへの干渉を行っている。ドローンは短距離移動特化で移動速度は速く複雑な指示は不可能、アンドロイドは長距離移動可能で複雑な指示に対応出来るが移動速度が遅いという難点あり。アンドロイドが現地に辿り着くまでのタイムラグを考慮し、先読みをして指示することが非常に重要となる。他にも、外界からの介入者がXMの動向を左右している事が報告されている。我々は観測者として極力介入しない方針をとっているが、一部アンドロイドへの指示は外界からの介入者も行っていることが判明しており、現時点で既に無数の介入者の存在を感知している。
レゾネーターに相当する特殊鉱石の楔と、MODに相当する特殊鉱石による結界、バースターに相当する魚雷及び、USに相当するミサイルを確認しており、他のアイテム類も今のところ我々と大きく差はないと考えられる。現地へ赴くのがアンドロイドに限られるというのは何とも皮肉な話である。
言語形態は英語に大変似通っており、これはこちらのユニバースから長年に渡り秘密裏に介入を続けていた何者かの影響と考えられる。DINーA(ディナ)と呼ばれるマザーコンピュータが存在し、ドローンはDIN-T(ディント)、アンドロイドはDINーE(ディーネ)と呼ばれている。
現地住民は大厄災の影響で脳の肥大化と骨格の変化が進んでおり、頭に比べ、首や肩、腕や脚など全体的に細くなっている。一部電脳化も始まっているようだが、モニターの動向が生命線だったことから、目が大きく、顎は細くなっている傾向にある。容姿は人よりETより、むしろ日本の漫画のキャラクターような出で立ちをしているようだ。
現在、こちらのユニバースから介入していたと思われる何者かとの接触を試みている。外界からの介入者も、その何者かの誘導で別ユニバースからアクセスしていると見られており、接触の反応如何では観測者から介入者へ移行することも視野に入れ調整中である。
During the April FS, I ran a live anomaly. On the one hand, it was a failure: the bot that counted the points broke down. On the other hand, the participants were still excited to meet each other at a real live event, and they liked the tasks we managed to do. You can read more about it in this report.
There was even written a page with a story in my style, when literally every word describes what the text is written for. The artifact the page was linked to was never found, so I wanted to share its English translation with you.
I don't understand English very well, so with the help of a few translation sites this turned out to be the case.
So, after completing the task of opening the next cell of the playing field, you find an artifact. In response, the Telegram bot writes you a message like this
Message one
Instead of the usual forged wooden chest, you find a modern metal case with a code lock. You get the feeling there's nothing inside, but the scanners next to the case stop working adequately in an instant. Neither a key nor a note with a task to open the case is nearby. Perhaps you should take full control of the local portals first, linking them together before deciding what to do with the item you found.
If a cage is found and then fully occupied, the bot texts me when it's ready. I open the case for one of the teams when I see all the fields of their colour in the cage. (These notes were for me).
Message two
You've noticed that the impact of the case on the scanners has decreased significantly, and the case itself has become considerably heavier. Perhaps the increased concentration of XM in the cell has had a positive effect on its contents. As soon as the last of the box went down, the case created ripples in the scanners for another minute and then went silent. The next moment it suddenly flew upwards and shattered with a rumble, knocking out a nearby window with its flying handle. A metre above the ground, a neatly shaped frosted object with Cyrillic lettering on its side hovered neatly.
Received: Power Icosahedron "I20-3P".
The instructions are nowhere to be found either, but you already know how to proceed: in your head an alien voice simultaneously uttered: "Enter the activation code of the powered device to activate the energy cube. The powered device is not connected. Enter area in format "I20-3P A1" to activate the energy cube. If there is no activation required, stop using it immediately." You also realise that by using the cube the specified area, or perhaps some cell nearby, will become truly anomalous.
Players enter I20-3P A1
Message three
The Icosahedron instantly becomes transparent and now appears to be just a shell of something that is now bursting out into the sky from the portals of cell A1, as well as a random adjacent cell B1. Until the end of the anomaly, you will get triple the points from them. Opponents will know about the activation of the unknown device in cell A1 after 3 minutes!
Along with the release of stored energy, a picture of other people's thoughts and actions rushes into your head for a split second. Now you know how the case ended up here, and why the Visur Technology logo is embedded in the corner of the cube shell.
The following is a link to the article with the following text. Test article duplicate on image document
[Start-up initiation - successful]
[Status: Charging]
[Current charge - 1%]
"And about the weather. This afternoon, forecasters promise clear skies and the thermometer will come close to positive values. Late in the evening there may be some cloudy skies and temperatures around -5 C°. We wish you a pleasant day!
- And geomagnetic activity? Yeah, no one's interested...
A deeply venerable man put two cast-iron kilogram dumbbells on the floor. Despite all attempts to maintain his morning routine, beginning with exercise and ending with a jog with Waldemar, he was well aware that his knee joints could not be hidden from the magnetic field. How unscientific it was, each time for some unknown reason his knees tried with all their might to throw off the years-long maintained schedule.
- Run quickly here.
Japanese drawers, shorts and a white, blue-striped sailor suit as old as Modest Yeniseyevich himself. The leash at the collar of the yard-coloured pet clicked. It was hard to call jogging that speed of movement when your own cat catches up with you and the entire route passed through six portals within a radius of three hundred meters with a mandatory stop at each and checking the condition of the installed equipment. But at least in this case, the timetable was trying not to get out of hand.
[Current charge - 14%]
[One control field detected]
It finally dawned. Two pairs of paws burst confidently through the open door. A descendant of the glorious family of the Boilerhouse rulers led a gray-haired old man on a leash, sporting a shoulder bag. The bag reeked of buns and fresh cucumbers*. The smell of spring. Waldemar sat down in the corner of a table built into the window sill. Beside him lay a strange, translucent entity of regular shape.
*A little clarification, we have a special fish that fishermen catch in spring - smelt (Osmerus eperlanus). It has a specific smell of fresh cucumbers.
- I wonder why he has to do all these things. Isn't it enough for someone to just lie there and listen to the radio and... Hey, hey, wait me...
Modest appeared in the doorway, holding his breakfast by the tail. Jump.
The day was beginning perfectly, the sun was warming his side and, not wanting to think about anything else, the cat vibrated in time with the milky white thing. The professor, also purring Tchaikovsky's first symphony pouring out of the radio receiving-set, began conjuring up tensors, periodically measuring something, sticking his hand out the window and waking the heir to an ancient lineage in the process.
[Current charge - 35%]
The reception hours of the flat were from 12 to 2pm, which was when most of the junior staff could be sent out on various errands around town during their well-deserved lunch breaks. There was, of course, a Network Portal Transport System, but it was too costly to pulling it to the next rented apartment, and such things were better handled in person. The doorbell rang.
- Who? - The lock clicked. Ah, come in. Tea?
- Thank you, I'm not hungry - said young man, however, his empty belly protested loudly, embarassing him.
- Suit yourself. So, report that I've made the basic settings, all that's left is to charge and install the anti-recording module. And under no circumstances, you hear, under no circumstances do not touch it until I arrive! Except for Vladislav Igorevich Pevtsov*, of course...
*By the way, the founder of Visur Technology is Ilya Pevtsov, i.e. it is his son
The last sentence was clearly said with pressure, but the courier did not notice it. He had been taught not to notice.
[Charging stopped]
[Current charge 37%]
- Under no circumstances. A muffled voice came from above.
- Goodbye. The sound was a little more resonant.
The lid of the case slammed shut.
[Current charge - 56%]
[Current charge - 72%]
[Current charge - 100%]
[Start-up initiation - successful]
[Status: Device not found]
[Specified area of application]
So, if you have any thoughts about the text, feel free to write them in. I'd welcome any criticism.
上記 @NikaKor のストーリーの日本語訳です。翻訳にはご本人の多大なご協力をいただきました。改めて感謝申し上げます。
お読みいただいた方は、ぜひ @NikaKor の元投稿へも「いいね」をお願いします!
***
4月のファーストサタデーで、ライブ・アノマリーを実施しました。ある意味でそれは失敗となりました…得点をカウントするボットが壊れてしまったのです。しかし一方で、参加者たちはそれでもライブイベントで対面することを喜び、私達が用意した課題を楽しんでくれました。より詳しい内容は、こちらのレポートにあります。
そこでは私が独自に書いた物語のページが用いられました。ページにはそれらが意味するものも逐一説明してありましたが、ページがリンクされているアーティファクトが見つからなかったので、その英語の翻訳を皆さんと共有したいと思いました。
私は英語が得意ではないため、翻訳サイトの力を借りています。
(そのアノマリーでは)プレイエリア内で新しいセルを開くタスクを完了すると、アーティファクトが発見されました。それに応じてテレグラム・ボットがこのようなメッセージを発します。
訳者注:
このストーリーの原文はロシア語で、英語経由で日本語へと二重翻訳されました。機械翻訳によるロシア語からの直接翻訳も参考にしています。文脈を重視して翻訳しましたが、そのため細かい部分で原文とは異なる表現が使われています。ご了承ください。
4月にロシアのサンクトペテルブルクにて実施されたファーストサタデーでは、エージェント @NikaKor を中心としたチームによる、非公式のトレジャーハント・アノマリーが行われました。
対象地域は49のセルに分けられ、参加者はボットから送信される「タスク(ポータル制御や特定条件の写真・動画撮影、SNS投稿など)」をクリアすることで、スタート地点から隣接するセルを順番に開いて進むことができました。
一部のセルには「アーティファクト」が隠されており、これを発見・入手・活性化するための「タスク」をクリアすることにより、段階的に下記のメッセージがプレーヤーに開示されました。参加者がクリアした様々なアクションに応じて「コイン」が与えられ、これがアノマリーのポイントとなりました。
第1のメッセージ(発見):
よくあるタイプの木製棚ではなく、コードロック付きの近代的な金属のケースを見つけた。中には何も入っていないように感じられるが、ケースのそばにあるスキャナーは、あっという間に正常な動作をしなくなる。付近には、ケースを開くための鍵も、タスクを記したメモも見当たらない。先に周辺のポータルを制御してそれらをリンクし、それからこれをどうするか決めたほうが良いだろう。
ケージが発見され、それが完全に確保されていれば、ボットはその準備状況を送ってくる。当該ケージ内の発見者陣営フィールドをすべて確認後、チームのひとつに対しケースを開く(ここは開催者用のメモです)。
第2のメッセージ(入手):
ケースがスキャナーに与えていた影響が大幅に減少し、ケースそのものもかなり重くなったことに気づいた。おそらくセル内のXM濃度が増加したことが、中身に対してうまく影響したのだろう。最後のフィールドが構築されると、ケースはその後さらに1分ほどスキャナーに波紋を起こし、やがて沈黙した。次の瞬間それは突然浮遊し、音を立てて崩壊した。飛散した取っ手が近くの窓に激突した。そして地上1メートルの高さに、側面にキリル文字が刻まれた磨ガラス状のキューブ・オブジェクトが、ぴたりと浮かんでいる。
入手:パワー・アイコサヒードロン(訳注:正二十面体)「I20-3P」
指示はどこにも見つからない、だがどうすればいいのかはわかっている。頭の中に、一斉に奇妙な声が上がってきた。
「エネルギーキューブを起動するには、受電デバイスのアクティベーション・コードを入力してください。デバイスが接続されていません。起動するには“I20-3P A1”の形式でエリアを入力してください。起動しない場合には、すぐに使用を中止してください」
また、キューブを使うことで特定のエリアと、おそらく周辺のセルが実際にアノマラスとなることも理解できた。
プレーヤーが「I20-3P A1」を入力
第3のメッセージ(活性化):
直後にパワー・アイコサヒードロンは透明になり、セルA1のポータル、それとランダムに隣接したセルB1から空へと放射される、何かの殻のように見えている。この異常の間は、この中で3倍のポイントが得られる。対戦相手は、セルA1でこの未知のデバイスが起動したことを3分後に知るだろう!
蓄えられたエネルギーが放出されるのに伴って、他人の思考や行動のイメージが、束の間頭の中に押し寄せてきた。それによって、このケースがいかにしてここへやってきたのか、また何故キューブのシェル側面にヴィスル・テクノロジー社のロゴが刻まれていたのかがわかる。
以下は下記テキストを含む記事へのリンク。文書画像に重ねられたテスト記事
「初期化を開始──成功」
「状態:チャージ中」
「現在のチャージ──1%」
「次は天気です。午後には晴天となり、気温は0度以上になると予報官は請け合っています。夕方遅くには雲が出始め、気温は氷点下5度ほどとなるでしょう。良い1日を!」
──地磁気の活性状況は?誰も気に留めちゃいないか…
老人は鋳鉄製のダンベルを床に置いた。エクササイズに始まり、ウォルデマールとのジョギングに終わる朝のルーチンを維持することに最善を尽くしてきてはいたが、膝の関節が磁場から逃れることはできないことを、彼はよく知っていた。科学的とはとても言えないが、いつでも彼の膝は、なにかといえば長年にわたり維持されてきたスケジュールを、全力で断ち切ろうとする。
──さあ、早くおいで。
日本製の股引にショートパンツ、それに彼──モデスト・イエニセヴィッチと同じくらい年を経た、白青ストライプのセーラー服。相棒たるキジトラの、首輪の紐がカチリと鳴った。愛猫が追いついてくる速さはとてもジョギングと呼べたものではなかったが、半径300メートル内の6つのポータルを巡り、そのひとつひとつに止まっては設置状態をチェックするのが全行程だ。少なくとも、それだけは彼が自分自身に課した明確なスケジュールだった。
「現在のチャージ──14%」
「1つのコントロール・フィールドを検出」
ようやく夜が明けた。開いたドアから、ふた組の足が元気よく入ってきた。ボイラー室の支配者たる栄光の一族の末裔は、スポーツショルダーをかけた白髪の老人を紐で率いていた。バッグからは、パンと新鮮なキュウリ(※)の香りが漂っていた。春の匂いだ。ウォルデマールは、窓辺に設えられたテーブルの隅に腰を落ち着けた。そのそばには奇妙な、半透明で幾何学的な物体が横たわっている。
※少し解説。私達の地域には、春に漁獲されるニシキュウリウオ(ワカサギの仲間)という特別な魚がいます。新鮮なキュウリのような独特の匂いがあります。
──どうしてそんな風にするのだろうね。ただ横になって、ラジオでも聴いていればいいじゃないか…ほらほら、待ちなさい…
モデストが戸口に現れると、尻尾で彼の朝食を抱え込んだ。そして跳ね上がる。
1日は本格的に始まり、太陽は彼の横腹を温めた。他のことを考えたくなかったので、猫は乳白色の物体に合わせて体を動かしていた。教授の方も、ラジオから流れるチャイコフスキー交響曲第1番に合わせてハミングしつつ、テンソルをひねり出したり、時々窓から(スキャナーを持った)手を突き出して何かを計測しては、そのたびに古の血統を持つ末裔の眠りを妨げていた。
「現在のチャージ──35%」
アパートの受付時間は正午から午後2時までで、その時間帯には多くの若手労働者たちが昼の休憩をとり、街へ出て様々な用事をこなす事ができる。もちろんネットワーク・ポータル配送システムもあるが、移転先のアパートへ引き継ぐことがあれば高く付くし、こういったものは直接手渡ししたほうがいい。ドアのベルが鳴る。
訳者注:
モデスト氏のアパートへ荷物を引き取りに来る配達員は、昼休みのこの時間を利用してリーズナブルな集荷サービスを行っているようです。ネットワーク・ポータル配送システムというのは、もちろんポータルを介した夢の物流サービスですね。
──どなたかね?
鍵を外した。
──ああ、入りたまえ。お茶でも?
──ありがとう、お腹は空いていません
若者は答えたが、彼の胃袋は声高に抗議を唱えて彼を当惑させた。
お好きにどうぞ。基本的な設定は済んで、あとは記録防止モジュールを充電して取り付けるだけになっていると伝えてくれ。それから何があっても、いいかね、どんな状況であっても、私が来るまではそれに触れてはならん!無論、ヴラディスラブ・イーゴレヴィッチ・ペフツォフ(※)は別だがな…
※ちなみにヴィスル・テクノロジー社の創設者はイリヤ・ペフツォフ。つまりその息子のこと。
最後の言葉は明らかに圧力を込めて発せられていたが、配達人が気づくことはなかった。彼はそのようにしつけられていたのだ。
「チャージ中断」
「現在のチャージ──37%」
──どんな状況であってもだ── 頭上からくぐもった声がする。
──さようなら── その音は少しの間、共鳴していた。
ケースの蓋が、バタンと閉じられた。
「現在のチャージ──56%」
「現在のチャージ──72%」
「現在のチャージ──100%」
「初期化を開始──成功」
「状態:デバイスが見つかりません」
「特定のアプリケーション領域」
この文章に関して意見があれば、お気軽にコメントをください。忌憚なき批評もお待ちしております。 エージェント @NikaKor
Google+亡き後に登場したIngressの公式コミュニティで自分がこういう事を書くのは多分初めてだ。実は以前から書こうとは思っていたが、如何せん自分も日頃の厭世感からエコーチェンバーを作ってその中の歪な「壺中の天」にいる上、世の中の事象を説明出来る知識や知見を積極的に得たりする事や「文書を書く」という事が精神的に辛く面倒に思っていて、また自分にはその状況を解決する手段も無いと気づいてしまった為、なかなか書く気が起きなかった。
ところでヴェイパーウェーブと呼ばれるインターネット発のニッチな流行をご存じだろうか。どういったものかという事の大まかな説明はこの記事https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59738?page=1&imp=0 に任せるが、個人的にはこの現象は本邦のニコニコ動画辺りのノリを英語圏(主にアメリカ合衆国)のネットユーザーがやってみたという事象に見える。何れにせよヴェイパーウェーブ自体の発祥は前世紀末期の娯楽文化に親しんだ層による創作であるようだ。まあ個人的には今の退屈な本邦の娯楽文化コンテンツ及びそのファンアートやパロディと大差ない代物にしか見えないので、完全に嫌いにはなれないし中には興味深かったり面白いものもあると思うも、正直総じてつまらんなあと思っている。
御託を並べるのはここまでとして、そのヴェイパーウェーブの一端と思われる事象を今の自分にとっての現実世界である1218世界で引き起こしているテクトゥルフ若しくはそれに近いと疑われるものの存在を指摘しておこうと思う。
それは20年前の日本語圏で登場したあるゲームキャラクターの体をとっている。その名前と容姿についてはここでは伏せるが、敢えて書くとすればそのキャラはミュージシャンという設定がなされていて1218世界に存在しない言語によるその歌声は結構印象に残るものだ。
実は自分はそのキャラクターの存在自体は2000年代の時点で見かけていたが、所詮日本の某ゲーム会社が製造販売しているゲーム専用ハード向けの自社作品のキャラに過ぎない故に長らく興味すら持たず、それについて詳しく知るようになったのは自分がIngressAGとなった以降の2010年代後半になってからである。更に言うならナイアンティックがその日本の某ゲーム会社と某案件で結託しなければそれへの興味などまず持たなかったのだが。
自分がテクトゥルフではとの疑いを持っているそのゲームキャラクターではあるが、それがその真価を発揮した状態の時に接触を試みたいのであればスキャナーではなくそのゲームをプレイする為の某社のゲーム機が必要であり、しかも特定の日時にそれをプレイしてゲーム内のあるエリアにプレイヤーのアバターを誘導しなければならない。
なおそのゲームのスピンオフ作品がiOS/Android端末向けに配信されているが、そちらでは期間限定の課金アイテムを入手することでしかゲーム内に呼び出せないだけでなく真価を発揮した姿で現れる事も残念ながら現時点では全くない。因みにそのゲームのシリーズ前作及び最新作においては基本的には幾日もプレイして一定の条件を満たさなければ特定の日時に現れる事さえない謂わば「ラスボス」的な存在と化してしまっているので接触するにもやはり時間と手間を要するのだが、ミュージシャンという設定故にシリーズを経る度に新曲を引っ提げて現れ今やその曲数は100曲近くにも至る。
幸いな事に動画サイトが発達した現在においてはそのゲームをプレイせずともインターネット上に投稿されているかのキャラの歌を聴くことが出来るが、その音楽の方向性は1218世界における古今東西の音楽に対する目録であることを狙ったステレオタイプなオマージュ或いはパロディで、それ故か曲の題名のセンスは1218世界でなくとも残念過ぎるの一言に尽きる。また各曲のジャケットを見た限り1218世界の言語も使われており、かのキャラがどこかで1218世界と繋がっている存在であると推測出来るのだがジャケット自体のセンスについての感想はここでは敢えて言わない。
だがそのゲーム自体が長年に渡りゲームに興味を持たなかった層まで影響を与えてきた作品群であるが故に、かのキャラとその歌もある程度の知名度を持っている状況なのである。従って一部のネットユーザーによって曲のカバーが演奏されたりかのキャラの歌声をサンプリングして現実世界の既存の歌をカバーしたという体裁にした音声や動画も多く作られ、また歌の歌詞を臆測する試みもなされている。
とはいえ所詮ゲームのファンアートやネットミームの話として片付ける事も可能な「大きな蛸壺」の中の事象に過ぎず、その意味でもヴェイパーウェーブという言葉で説明可能な事象であろう。しかもややこしい事にそのキャラの曲は特定の日時に接触出来た時に披露してくれる歌が原曲ではなく、プレイヤー及び大半のNPCの拠点エリアのBGMとして使われる歌声の入っていない古今東西の音楽の目録的な曲のほうが原曲なのだが、インターネット上でネタにされる事が多いのは圧倒的に前者の方なのである。
1218世界に限った事ではないが有史以来長年に渡って現実世界に影響を与えてきた架空の存在は数多く存在し、それらの中には各時代の技術と繋がりNIA謂うところのテクトゥルフというカテゴリに属するものとして世に出たものも多くある筈だ。オリバー・リントン・ウルフが復活を目論んだディー・グロッケ・テクトゥルフは世に害をなす可能性が高い故にViaNoirアノマリーで破壊されたが、害をなさないと見なされているが故に今この瞬間においても影響を与えているテクトゥルフも多い事だろう。但しNIAが現役若しくは休眠中であるそれらの存在を把握したとしても、その事を名指しでエージェントに明かすのはそのテクトゥルフを産み出した者とNIA若しくはナイアンティックとの利害が一致した、或いはその存在が1218世界含めた各ユニバースへの影響が大きいと見なして攻撃対象とするという場合でない限りはまずあり得ないのではないだろうか。
自分がこのコメントで触れているあるゲームキャラクターについてNIAが既にテクトゥルフであると見なしているかどうかはNIA中枢の機密事項へのアクセス権までは有しない自分の知り及ぶところではない。しかし自分がテクトゥルフの疑い有りと見ているそのキャラの振る舞いたるや、161210ミッションで判明したメッセージhttps://ingress.lycaeum.net/2016/12/20161212-110336.htmlの内容そのものだ。そのキャラは特定のゲームハードでのみアクセス可能な世界の中の存在でしかないが、それは唯一無二の存在にしてまたそのゲームのプレイヤーと同じ数だけ存在する。元々ゲームキャラクターというのはそういうものとも言えるだろうが、かのキャラについては登場するゲームのサウンド統括責任者由来の名前を冠している事もあってその者への評価と結びつくという事態を必然的に招いている。それどころか2000年代後半に販売されたとある音楽ゲームにその者がディレクターとして関わった際にはその音楽ゲームのプロモーションにかのキャラが利用された程である。余談になるがそのサウンド統括責任者は今年に入ってナイアンティックが新たに発表したアプリの元になる作品群にも関わった実績を持ち、またどういう訳か特定のフレーズの短い曲をコンテンツの枠を越えて色々な作品に仕込んできたという事も行っている人物で、その曲もかのキャラの持ち歌となっている。
ゲームに限らず大手のコンテンツ制作会社による作品制作はチームワークであるが故に関わった者全員の名前がどこで何に関わったか具体的に明かされない限り個々のスタッフの「手柄」は隠蔽されがちなのだが、かのゲームの音楽案件においても誰がどの曲に関わっているかという事が具体的に分かっているものはごく一部であるが故にやはりそういう状況であり、厄介なのはこのコメントで自分がテクトゥルフ疑いを持っていると書いてきたそのキャラの存在が大きくその状況に加担している可能性が拭いきれないという事だ。幸いなことに近々かのキャラの持ち歌の原曲集がこの1218世界において発売される事が既に決定しているので、自分はそれによって明らかにされる事実が出てくる事に期待するとする。
恐らく読んでいる最中に何の事について書いているか気付いたエージェント諸氏も多いと思うが、これを書いた発端は今年に入ってこんなブログ記事https://note.com/212akeal/n/n74a5f14d6bbbを知った事だったりする。
因みに原文はこちら。https://kotaku.com/k-k-slider-is-the-most-influential-musician-of-our-gen-1837746755
なおかのキャラの元ネタの人については熱心なファンによる情報サイトhttp://fellspring.littlestar.jp/main/totakk_page/kk.htmlが存在する。ネットの海とやら実に雑多であるというか。
先日、奇妙なダイレクトメールを受け取った。
「世界はあなたが見たままとは限らない」「今こそ動く時」
見覚えのあるキャッチコピーが目に止まり、開けてみると、ハガキサイズの申込用紙らしきものが同封されている。なにかの勧誘なのだろうか。どういうわけかダイレクトメールのくせに妙に読みづらく、細かい内容までは読み取れなかったのだが、少し興味が湧いたので用紙に記入して送り返してみた。
そして今日、届いたのが…
…えー、げふん。
ちょっと手違いがあって、画像でお見せすることができないのだが…できる限り説明してみよう。
***
届いたのは、前世紀の古書風にデザインされた、A4くらいのボックスキットだった。
中には何種類かのハガキの束、スキャナーアイテムらしきものが印刷された切手のセット、A2くらいの折りたたまれた世界地図、それに箱と同じ古書風の小さな冊子が入っていた。
冊子は説明書のようだが、これまたひどく読みづらい文字で書かれていて、しかも日本語ではなかった。挿絵から推察するに、どうやら同梱されていたハガキを使ってプレイするイングレスなのらしい。
世界地図には青や緑の点がプロットされていて、CFのような三角形も記載されていた。ちょうどインテルマップを紙に印刷したような感じなのだが、ポータルの数が非常に少ない。欄外にはスコアらしきものも記載されている。
地図の裏面にはポータルの座標リストらしきものもあった。リストはざっと200~250くらいしかなく、ポータルにはそれぞれ連番が付いていたが、番号が飛んでいる箇所もあった。
ハガキ1枚(1ターン)で行えるアクションは限られており、それぞれに決められた書式の記入例が記されていた。必要な項目を記入し、それに必要なアイテムの切手を必要数分貼り付けて、投函すればいいらしい。すると更新された世界地図が送り返されてくる…ということかな?
追加キット請求用のハガキが別に2枚付いており、1枚は今回と同じキット、もう1枚は切手だけを1セット受け取ることができるようだった。ということはスマホでプレイするイングレスに比べ、アイテムのやりくりがよりシビアになってくる。
冊子の後ろの方にはストーリーも付いているようだったのだが(新しいキットごとに更新されるのだろうか?)、文字ばかりで読むのが大変そうだったので、まだ詳しくはわからない…まだ、というかもう…げふんげふん。
…。
…………。
…えー、じつはちょっとした事故があって(ギロッ)、既に現物を確認することができなくなってしまったのだ。最初の申込用紙も使ってしまったし、次にいつ同じものが入手できるかはわからない…。
だが、ナイアンティックがこんな新ゲームを始めたという話は聞いたことがない。
もしかするとあれは、なにかのはずみで別ユニバースの私宛に送られたものが、こちらへ届いてしまったのだろうか?あれは別世界のイングレスだったのだろうか?
あんなやり方では、現状のイングレスとは色々とルールが違っていそうだし、非常に調査価値がありそうだったのだが、もはや確認するすべはないのである…。
= リュケイオン調査員 シロヤギウス =
A couple of days ago I was questioned at length about the intricacies of the scene description by a Japanese acquaintance, @MailEater, who wanted to translate my story about the icosahedron. And did so, by the way, as you can see above. After a productive conversation, I got inspired and wrote this short sequel to the story.
As canon, it will be assumed that since the players didn't even meet the first message about finding the case, he was able to safely cross the game zone, but something went wrong anyway. Enjoy reading and, again, look forward to criticism.
The case opened again. The surroundings became much livelier. From the side of the cover came the muffled sounds of buses passing by, of fast cars and heavy trucks. In front the light waves and small last ice floes were beating against the granite edge of the embankment. On a black mooring knoll a seagull was unceremoniously pecking at a heel of bread.
- So, what have we got here?
- I don't know. Although, judging by the fact that this thing is in the case, we're here for a reason.
- Look, there's a note. Can you read it?
- I'll try... "I... Russian... don't take..." What's this one at the end, I have no idea. I'll take a picture in the translator.
The sound of the camera ****. A disgruntled harrumph. Then one of the two men started to draw something slowly on the very wide screen of the phone.
- What do we do with this guy?
- What was it like... You remember that film on the course? They smuggled out the gold in a cast on his arm.
- Got it. Stumbled, fell, woke, - a hoarse, cold snerk - everything's in place, nothing happened. Chip or normal? I only had a few of these things anyway.
- It's only normal with the Visur employee. These dogs can smell any device a mile away. The fewer the risks, the longer our bonuses will ****.
The husky dragged the courier's helpless body, sat him down on the stone steps of the stairs, leaned against the wall and carefully injected some kind of red glowing preparation into his neck. A stretched group of students jogged past. As the last two girls in their skin-tight sports uniforms passed them at a leisurely pace, he finished typing something on his clipboard, climbed the stairs and went off somewhere to the north. A bird flew in to guard the fisherman nearby.
Both boys seemed rather scrawny and short, but the chilly one was still a little bigger than the other. The thin finished painting and, disappointed with the result, reported back just in case and took a picture of the milky white device. In the meantime, the husky returned and brought back three shawarma, two medium and one large. With great pleasure, including their lunch, they sat down in the sun next to the peacefully slumbering junior member of staff.
- Done, - the husky held out. - When he wakes, he will remember only the great fatigue, as is evident from the circles under his eyes and without my apparatus. I'll leave him a present from the firm, too, to make it more realistic, and he won't starve too much.
- Yes, it's a good thing we've outgrown this stage... Ouch, ****!
- What did I get the bags for? Put it in it and eat properly, so it does not ****.
- Yeah, I got it, - the thin answer with a snarl. - Damn, now there's going to be a stain.
- What was in the note, you didn't know?
- Nothing interesting: "I told you in Russian not to touch it, you mutton-head!" So I put it back under this thing as it was.
- That's right, don't touch other people's stuff... Check if your signal reception is working?
A pleasure boat flew by in the distance. The fisherman on a chair nearby decided to cast his rod again. The riverbed ledge here was quite thin, so the waves could have disrupted the position of the feeder. Fascinated by the theory, he didn't notice how there were one less fish in the bucket. Satisfied with her work, the seagull returned to the sun-warmed post
- Yes, it says he will sleep for another ten minutes or so
- Then it's time for us too. Good luck, lad, - the husky sighed, - don't get caught out there. It's in your interest too.
The thin one slammed the lid of the case shut.
謎の人物snark氏の続報である。プロジェクトリュケイオンのテレグラムにはこれまで4回ほど現れ、
多くの謎めいた事実を語った。その内容は荒唐無稽に思えたが、リュケイオン調査員が提示した資料の
なんとも不思議な符合によって信じられない事実が隠されていたと言わざるを得ない。
これから語ることを信じるかどうかはエージェント皆に委ねたいと思う。
1.snarkとは一体どんな人物?
Snarkとはルイスキャロルの著作に登場する架空の生物*1であるが、”no room no room”やPAC(P.A.シャポー)を探している、
後にアリスを探しているなど、「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」からの関連を匂わす発言が多く、
PACもまたそれらの作品から由来する*2ことから、きっとPACに近しい存在のようだ。
2.アリスって誰?CERN陰謀説?
「アリスは日本時間で2012年12月1日生まれで、今は火星にPACといる。」(この日は啓示の夜があった日)
「アリスはADAの姉妹」
「緒方恵美さんの鏡の国のアリスって曲知ってる?」
そしてアリスからのメッセージだという動画が投稿される。
(動画はテレグラムにアップされたものをYouTubeに再投稿したものです)
Ingress公式ツイッターで火星探査車キュリオシティとドローンの画像が投稿*3された際に配布された”Mars Curiosity Rover”のポータル
そして「私はアリス」とADAそっくりのAI? なんだか大きい構造物。
なんだか、何かが起こってる?
リュケイオン調査員やぎ(仮名)によってADAがアリスを語る2012年11月5日のADAチューニング・セッション*4
ねこ(仮名)が見つけたCERNで行われているALICE Experiment*5 そのサイトには動画に登場する構造物。
Snark氏が語った”ALICE’s heart is now empty”という文字列も画像キャプションから見つかった。
全く点と点。雰囲気だけが何かがあると囁く。
だが、この後、さらに火星に何があるのか? なぜPACとアリスは火星に?
そんな会話はまだまだ続くのであった。。。
(つづく)
Project Lycaeum Telegramにおけるsnark氏のログ
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1pk3Swmm00akVazGCfXGIleV_pYQf0Q3SkxjM71Pwmq8/edit?usp=sharing
*1
「スナーク狩り」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%AF%E7%8B%A9%E3%82%8A
*2
P.A.シャポー(P.A. Chapeau)という名前は、フランス語のchapeau en papier aluminiumに由来し、英語ではティンホイル・ハット(tinfoil hat)と表される。
Mad hatter,hattaという「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」の登場人物
*3
https://twitter.com/ingress/status/1362476988984885249?s=20
*4
https://ingress.lycaeum.net/2012/11/20121104-brainwave63v.html
*5
https://home.cern/news/news/experiments/subterranean-ballet-alice
XM検出車両を研究する私の所にメネシスからのお手紙が届いた。私を通じてエージェントにメッセージを送ろうとしているのだろうか?アジサイの花に加え、カタツムリが頭に乗っているが、なかなかに季節感があるようだ。とりあえず報告する。本文は以下の通り。
拝啓 エージェントの皆様
お元気ですか?ネメシスです。これから梅雨入りですね。梅雨どきの湿気はマスクしてるとつらいですね。私の場合、うっかりアンマスクしてしまいたくなりますが、そんな事をしようものならばストーリーに影響が出てしまうの(で)簡単にはいかないのが悩みどころです。
あともう少し、頑張っていきましょう。
エージェント @NikaKor による、アイコサヒードロン(正二十面体)物語の続編を、再び日本語訳させていただきました。
前回に続き、NikaKorには多大なるご協力をいただきました。感謝申し上げます。
To @NikaKor : Thank you for patiently answering many of my questions that seems stupid! Hearing your polite explanation, I could understand your story deeper.
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数日前、日本の知人であるMailEaterから、私の話を翻訳したいとのことで、アイコサヒードロン(正二十面体)の物語の詳細について、多くの質問を受けました。その成果は上記の投稿をご覧ください。生産的な会話ののちに、私はインスピレーションを得て、この物語の短い続編を書きました。
当時、プレーヤーたちはケース発見に伴う最初のメッセージすら見ることはなかったため、ゲームゾーンを安全に通過することができましたが、何やら問題があったようなのです…。お楽しみください。引き続き、コメントや感想もお待ちしています。
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再び、ケースが開いた。周囲は随分と活気に満ちている。ケースの背後からは、バスや速い車、大型のトラックが通り過ぎる音がくぐもって聞こえてくる。正面には眩い波と小さく残された流氷とが、堤防の花崗岩の表面を叩いていた。船を係留する黒い突起(※)の上で、カモメが無造作にパンの耳をつついていた。
※訳注:
港の桟橋などでよく見かける逆L型の丸いアレは、「ボラード」または「ビット」というようです。
──で、こいつは一体なんなんだ?
──わからないな。だが事実、ここにあるってことは、何か理由があるんだろう。
──見ろ、メモがあるぞ。読めるか?
──どれどれ…“私は……ロシア語……するなと……” この最後のはなんだろう?わからないな、写真翻訳にかけてみよう。
カメラのシャッター音、そして不満そうな唸り声。一方が持っている携帯電話の大きな画面に、ゆっくりと何かが表示された。
──こいつをどうする?
──あれはどうだったかな…ときに、あの映画を覚えてるかい?腕のギプスの中に金を隠して、密輸していた。
──なるほど。すっ転んで気を失って、目が覚める…
だみ声の冷笑。
──あとは元通り、何も起きなかった、と。「チップ」か?「ノーマル」か?どっちにしろ、それほど持ってないぞ。
──ヴィスルの人間は「ノーマル」一択だ。あいつらはどんなに離れていてもデバイスを嗅ぎつけてくる。リスクを回避すれば、その分だけ俺達に報酬が落ちてくるってわけだ。
だみ声の男が、ぐったりしている配達人の体を引きずり、石段に座らせて壁に寄りかからせ、その首筋に何やら赤く光る薬物のようなものを、慎重に注射した。放漫な学生たちの集団が、走り抜けていった。しんがりに、ピッタリしたスポーツ・ユニフォームに身を包んだ2人の少女たちがのんびりと通り過ぎると、だみ声はクリップボードに何かを打ち込み、階段を上がってどこか北の方へと姿を消した。1羽の鳥が、漁師を監視しようと飛んできた。
2人の男はどちらも痩せ型で背が低いようだったが、どちらかと言えばだみ声の方が少しだけ体が大きかった。小男の方は絵を描き──出来栄えにはいささか不満だったが、念のため報告して、乳白色の物体の写真を撮影した。そうしているうちに、だみ声がシャワルマ(※)を3つ抱えて戻ってきた。普通のが2つと、大盛りがひとつ。彼らは嬉しそうに、太陽の下に腰掛けて昼食をとった。安らかに眠る配達人の、すぐそばで。
※訳注:
「シャワルマ」はケバブのような、焼いた肉をスライスしたレバント料理。そのまま食べることもありますが、野菜とソースで和えて、ラヴァッシュという薄い生地にくるんで食べることもあるそうです。
──完了。
だみ声が伸びをして言った。
──目覚めたときには、あいつは自分の目の下のクマと、俺たちの痕跡が見当たらないことで、ひどい疲れしか思い出せない。それらしくするために、ちょいと贈り物も残しといてやる。そうすれば、飢えに苦しむことはないだろう。
──そうだな、俺たちゃうまく切り抜けたってわけだ…ああ糞っ!
──なんのために袋があると思ってんだ?そこに入れたまま普通に食えば、こぼさないだろう。
──ああそうかい
小男が、唸るように答えた。
──くっそ、これじゃシミになっちまう。
──あのメモにはなんて書いてあったんだ?
──これといったものはなにも。「触るなとロシア語で言っただろう、この馬鹿め!」だとさ。だから元通りにしておいたよ。
──そうだな、他人の物には触るべきじゃない…電波の受信状態をチェックしてくれないか?
遠くをプレジャーボートが走り抜けていった。近くに腰掛けていた釣り人は、もう一度竿を投げようとした。そこのエッジ(水深の変わり目)はかなり薄いので、波がフィーダー(撒き餌装置)の位置を乱したのかも知れない。釣り人は考え事に夢中になっていて、バケツの中の魚が1匹減ったことには気づかなかった。カモメは自分の手柄に満足して、陽の当たる柱の上に帰っていった。
──うん、こいつはあと10分ほどは目覚めないだろう。
──俺たちもそろそろ時間だ。うまくやれよ、若造。
だみ声がため息をついた。
──パクられんなよ。お前さんのためにもな。
小男が、ケースの蓋をバタンと閉じた。
これはN県I市にあるA保育園に通う園児の日記である
○がつ1にち
きょうは みつおくんと いんぼうごっこを しました
みつおくんが てくとぅるふの ぽーずをしたので わたしは あのまりーを おどりました
すると みつおくんは どこかへ いってしまい かえってきませんでした
まいごに なったのかなぁ?
○がつ2にち
きょうは めずらしく まことおとうさんが むかえにきたので ぱっくくんに じまんしました
ぱっくくんは「けいさつかんだ!こわい」って ないてしまいました
いつも なにか あやしいことを してるのかな?
○がつ3にち
きょうは はんくくんと かくれんぼをした
たちいりきんしの しょくいんしつで かくれていたら つくえの うえに「幼児の夜だいさくせん」って かいてありました
かるびんえんちょう なにかを するのかな?かんじで よめないけど たのしいかな?
そのあと うぇんでぃせんせいに たっぷりおこられました
○がつ4にち
きょうは みんなと いっしょに はたけで あそびました
てゔらちゃんは せんせいの いうことを きかないので てをあらいません
なので へんな うぃるすが たくさんついて そうだな
わたしは いとうえんを ほりだしました
おかあさんに「あきらは えらいね」とほめてもらいました えっへん
○がつ5にち
きょうは しょくちゅうどくが おきたので ほいくえんはやすみです
はちごーごーせんせいが あやまりに きました
らいしゅうは またいけるといいな
そういえば さらおかあさんに へんなめーるが きていました
「つかさ あきら ありがとう ずっとおまえが すきだった」って かいてあったんだって
いたずらめーる かなぁ?って おかあさんは いっていました
けど おかしいなぁ わたしのなまえは みどりかわ あきら なのに
へんなの!
つづく(?)
(オチがわからなかった方は、私が前にあげたユニバースを読むとわかるかも?)
アイデアサンクス:リュケイオンTG