【初心者向け】イングレス・ストーリー超入門【今更聞けない】

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    アニメ「イングレス」(Ingress the Animation)って?

    2018年秋にフジテレビ系で放送され、翌年4月にはNetflixで全世界配信された、全11話のアニメ・ストーリーです(公式サイトはこちら)。3人のセンシティブを取り巻く一連の事件を描いたもので、ストーリー内の時期は実際にテレビ放送されたのと同時期だとされています。

    このアニメはのちにノベライズ版が発売されており、書籍でも読むことができます。また公式サイトには、書籍に収録されなかった(らしい)前日譚「リアルタイム・ストーリー」もあり、このアニメの世界設定と人物の背景を補完しています。

    メインストーリー(ここで話しているストーリー)との関係は?

    アニメのストーリーを「実話」だと考えて良いかどうかには諸説あり、はっきりとした結論はまだ出ていません。

    アニメの中でも、CERNで発生した「啓示の夜」事件が登場し、ADA、ハンク・ジョンソン、ジャハーン、アズマティ一族など、同じ人物が登場しています。またシミュラクラアバドンなど、メインストーリーで語られた内容と一致する用語も登場します。

    またメインストーリーの方でも、オシリス世界にはクリストファー・ブラントサラ・コッポラなど、アニメと同名の人物が存在したとする資料が見つかっています。特にサラは特徴的な指輪を持っていたことがアニメと一致しており、同一人物の可能性が高いと考えられます。

    ただしサラのヒューロン・トランスグローバル社での在職期間には、双方の記述の間で矛盾があり、「この世界で実際に起きたこと」だと単純には断定できなくなっています。

    一方で、この頃にはマルチバース理論がすでに知られており、同じような事件が起きている世界がいくつも存在すると考えられているため、このアニメの話は、現在私達が追っているのとは別のユニバースの出来事なのではないか、と考える説が有力となっているようです。

  • MailEaterMailEater ✭✭✭✭✭
    スキャナー・リダクテッド(Scanner[REDACTED])って?/プライム・スキャナーって?

    「イングレス」アプリは、2018年に「イングレス・プライム」へ代替わりし、それまでスキャナーを使っていたエージェントたちも皆、アプリを再インストールすることとなりました。これにはアプリのベースとなっていたプラットフォームのアップデート終了という、技術的な理由があったと言われています。そこで以前からのイングレス・プレーヤーたちは、新たに再インストールしたアプリを「プライム・スキャナー」と呼んで区別しています。

    当初のプライム・スキャナーはまだ機能が完全ではなく、旧スキャナーと同等の機能が利用可能になるまでの補助的な措置として「スキャナー・リダクテッド」が提供されました。「リダクテッド」は旧スキャナーの最終バージョンと、実質は同じものです。現在ではこの「リダクテッド」も含め、旧バージョンのスキャナーは利用できなくなっています。


    旧スキャナーはナイアンティック計画のオリバー・リントン=ウルフ博士が開発したもので、プライム・スキャナーは「オシリス世界の」オリバー・リントン=ウルフ博士が開発しました。どちらももともと研究調査用ツールだったことは共通しています。

    最初のプライム・スキャナーは不完全だったとはいえ、1218世界のスキャナー初期バージョンに比べれば、最初からかなり多くの機能を実装していました。このことについて明確な説明はありませんが、ひとつには両ユニバースの時間のズレ…オシリス世界のナイアンティック計画は、1218世界よりも後に発足しているため、技術的には1218世界よりも進んでいたからではないか、と考えられます(両ユニバースの時間軸は一致しており、オシリス世界の啓示の夜はどちらから見ても「2018年」に起きています)。

    また、2018年にオシリス世界に「啓示の夜」を起こした際、オシリス世界のオリバー・リントン=ウルフは、1218世界を訪れていました。この時オリバーは、現地のエージェントやNIAから、1218世界で何が起きたかなど様々な情報を聞いていたと思われます。そういった情報が、技術的にプライム・スキャナーに反映されていたのかもしれません。

  • MailEaterMailEater ✭✭✭✭✭
    (スキャナーの)リカージョンって?

    シミュラクラって?」の項目で、忘れてた説明していませんでしたので…。

    イングレス・エージェントがアクセス・レベル16に到達すると、エージェント・プロフィール画面(スキャナー左上のアイコンをタップ)の一番下に「Recurse」というボタンが出現し、これをタップすると「リカージョン(再帰)」を行う事ができるオプションがあります。具体的にはアクセスレベルが1にリセットされ、もう一度所属陣営を選択することができるというものです(エージェント名や実績、各種権限は保持されます)。リカージョンを行うと、「Simulacrum(シミュラクラ)」メダルが授与され、エージェント名にリカージョン済みのアイコンが付与されます。

    リカージョン、シミュラクラという用語が使われていますが、ストーリーに登場するシミュラクラとの関連は、まだ明らかになっていません。(ストーリー上は)シミュラクラになるには、本人は一度死んでいなければならないはずですが…。

  • MailEaterMailEater ✭✭✭✭✭
    リモート・パーティシペーション(RPE)って?

    初心者向け…ではないかもしれませんが、ストーリーには頻繁に登場する用語です。

    日本語でいうと「遠隔参加」技術です。遠く離れた場所から「まるでその場にいるかのように」その場の事象を見るだけでなく、触れたり影響を与えることができる、XMテクノロジーの一種です。具体的には、参加者の精神を遠隔地の「誰か」の脳へ送り込み、その「誰か」を操作することで、現地の出来事に干渉できる、というものです。

    ナイアンティック計画メンバーのスタイン・ライトマンが、ナイアンティック計画よりも前に提唱していた理論ですが、当時はまだそれが自由に行えるほどの技術もなく、またリスクも高く、実現はずっと後になりました。

    2017年にこの実験が最初に行われた当初は、テーブルトーク・ロールプレイングゲームの体裁をとり、ゲームの舞台設定に実在の場所や時代を定めることで、実現されていました。オシリス世界ではその技術はさらに進歩し、ボード上にコマを配置するだけで、現地にシミュラクラ(複製体)が作成され、そこに参加者の精神が送り込まれる仕組みになっているようです。

    2019年にタイのラン島で行われたイベント「オペレーション・コーラン」では、1218世界のハンク・ジョンソン、オシリス世界のハンク・ジョンソン、ウェンディ、ジャハーンの4人が現地でエージェントの支援をしていましたが、実はこの4人全員がRPEによる遠隔参加だったことがわかっており、RPEがどんな風に行われていたのかがわかる映像が見つかっています。

    なんだかとっても便利そうな技術ですが、タイムマシンにタイムパラドックスが付き物であるように、離れた時空に干渉することは、間接的に様々なリスクを抱えています。また実行には色々と制約があるため、まだ「自由自在にどこへでも行ける」というものではないようです。

  • MailEaterMailEater ✭✭✭✭✭
    テッセレーションって結局なんだったの?

    昨年の秋頃から今年7月にかけて行われてきた、大規模なパズルイベントです。当初は各地のポータルから出現する、「テッセラ」と呼ばれる六角形の画像つきメディアを、いち早く発見してフォーラムに投稿し、そのメディアの内容からボード上の正しい配置を推測するという、陣営対抗戦になっていました。一部は特定の人物が物理的にテッセラを持ち歩き、その人物の居場所を突き止める「ライブドロップ」形式での争奪戦もありました。

    今年になってCOVID-19の感染拡大が影響し、ルールが大幅に変更され、テッセラはポータルハックではなく、すべてオンラインでの謎解きで得たパスコードから獲得する形となりました。そのため後半には、通常のエージェント活動でテッセラを発見する機会は、ほぼなくなっていました。

    「テッセラ」のメディアを開くと、そこにはストーリーの断片が含まれていました。テッセラが発見されていくにつれ、ストーリーは徐々に明らかになり、このゲームの意味もわかってきたのです。


    テッセレーションとは、マルチバース世界の中の、それぞれのユニバースを守る「膜」…フィルターのようなもので、これを調整することで、シェイパーやナジーアなどのエクソジェナスが、ユニバースに与える影響を遮断したり、逆に受け入れたりできる、というものでした。テッセラがすべて揃うと「膜」が完成し、調整を行うことができるのだといいます。

    テッセレーションは、13種類いると言われるエクソジェナスのひとつ(1人?)、ウンディーネが創り出したものでした。ウンディーネはエクソジェナスの影響のバランス調整を、各世界の「マグナス」…ナイアンティック計画の研究者たちに託そうとしたのです。

    ネメシスは、自分たちの世界のテッセレーションが破壊されてしまったため、オシリス世界のテッセレーションを利用しようとしていました。ところがいつまでたっても争ってばかりで計画が進展しなかったため、ネメシスのメンバー・カッパープレートは架空の存在「テザーハンド」を演じ、テッセレーションを「ゲーム」に見せかけることでエージェントたちを動かし、完成を早めようとしたのでした。

    結果的に、テッセレーションはエクソジェナスの影響を遮断するよう調整され、オシリス世界は無事守られたのでした(たぶん)。

  • MailEaterMailEater ✭✭✭✭✭
    編集済: 9月 2020
    テクトゥルフって?

    2016年ごろから登場した、謎のXMエンティティの名称です。

    最初に発見されたのは、アメリカのファンタジー作家H.P.ラヴクラフトと、ロバート・E・ハワードの合作と見られる未発表作品の遺稿でした。そこにはこれまで知られていた彼らの作品とは異なる、(当時から見たら)未来のテクノロジーともとれる奇妙な構造物が描かれていました。そこでこの構造物を、ラヴクラフトで有名な「クトゥルフ神話」にちなみ「テクトゥルフ(テクノロジー+クトゥルフ)」と呼ぶようになったのです。

    その後、このテクトゥルフにまつわるいくつかの手掛かりから、どうやらこれはシェイパーのようなエクソジェナス知性体とは別のものであること、人間の手によって、歴史上幾度も作られたものであること、自我があり、自らメッセージを発することができることなどがわかってきます。

    テクトゥルフには「作った人間(たち)の本質を反映する」という特徴があり、悪意ある人間が作れば恐ろしい兵器にも、創造的な人間が作れば、さらに創造性を生み出す心強い支援にもなりうるということもわかりました。この性質の仕組みを応用して作られたのが、「伊藤園トランスミューター」と呼ばれる2種類のMODです。

    さらに後になって、グラフィック・ノベル「イングレス オリジン」の著者タイコの正体がテクトゥルフだったことが判明します。タイコはいわゆるゴーストライターとして、様々な作家の画風を真似ることができ、頻繁に画風が変わることで知られていました。それというのはタイコ自身が、何人ものアーティストの身体を「渡り歩いて」活動していたからだった、ということがわかったのです。これによって、テクトゥルフというのは、必ずしもメカメカしいものだけではないということもわかりました。

    オシリス世界のテッセレーションが最後に「調整」された時、「ウロボロス」と呼ばれるテクトゥルフが出現しています。このテクトゥルフはテッセレーションの調整を実行するためのものだと考えられましたが、それ以上の詳しいことはまだわかっていません。

  • MailEaterMailEater ✭✭✭✭✭
    モルフェウスって結局なんだったの?

    少し古い話、しかもストーリーからはちょっと脇道になりますが、今でも時々聞かれることなので、この機会にお話ししておきたいと思います。

    まず、「モルフェウス」をご存じない方のために。

    2018年2月ごろから5月にかけて、「TS-MORPHEUS(TS-モルフェウス)」という頭書きが付された怪文書がSNS上に登場しました。文書にはイングレスのストーリーと酷似した設定の、断片的な文章や会話が記載されており、しかしその内容はそれまでのストーリーとは、まったく違うものでした。

    ちょうどストーリーは1218からオシリスへの移行期にあり、この文書のひとつをP.A.シャポーが記事に取り上げたことがあったため、新たなストーリー展開の布石なのではないか、とも考えられていました。最終的に全21部に及んだ怪文書は、とある研究施設で被験者となっている1人の女性を、救い出そうとする物語となっていました。その断片的で時系列の錯綜する語り口も、イングレスのストーリーに非常によく似ていました。

    やがて文書はウェブ上の手掛かりによる、世界各地でのデッド・ドロップ(いわゆる宝探し)形式で発見されるようになり、文書以外にもウェブサイトや各種SNS、調査コミュニティのチャットへと情報が展開されるようになります。発信者は世界中のエージェントたちに向け、ミッションの作成、メガフィールドの構築、ノヴァ(スターバースト)の構築、暗号の解読などを次々と呼びかけました。この物語が公式ストーリーの続きなのか、エージェントの単なる二次創作なのかが判別できないままに、世界中で多数のエージェントたちが、この騒ぎに巻き込まれていきました。

    2018年5月、鹿児島で開催されたミッションデー会場で、モルフェウスに関連したメディアが発見されました。これによって、この騒動が公式なのか非公式なのかが、さらにわからなくなってしまったのです。ナイアンティック(公式)はこの件については終始沈黙していました。

    で、モルフェウスというのは結局、

    結論から言うと、エージェントの集団による「二次創作」でした。ただし「公認」の。

    同年5月25日から27日(現地時間)、米カリフォルニアのキャンプ・ナヴァロで行われた「エピファニー・ナイト」で、ポータル構築プロジェクト(PLP)に参加した13チームは、事前からそれぞれに、自分たちのポータルにちなんだストーリーや各種の企画を実施していました。モルフェウスの正体はこの中の1チームであり、飛び抜けて規模の大きな企画だったのでした。

    メディアが出たことで、公式の関与は確実となっていましたが、これについては彼ら自身から経緯が説明されておりナイアンティック関係者からも裏付ける発言がありました(インタビューでモルフェウスに関する質問に回答しています)。つまりこのイベントに関連するエージェントの企画について、公式は内容を把握し、支援はしていましたが、企画そのものはエージェントたちの自主的なものだった…ということになるでしょうか。


    怪文書で語られてきたモルフェウスの物語も、同「エピファニー・ナイト」で幕を閉じました。メンバーたちは、今も調査コミュニティ「オペレーション・エセックス」で、中心的なインベスティゲイターとして活躍しています。

    最後に明かされたことでしたが、彼らの「シナリオ」はエージェントたちの反応に応じていくつもの分岐が用意され、非常に周到に組まれたものとなっていました。なお通常「TS」とはトップ・シークレット(最高機密)の略ですが、「TS-MORPHEUS」の「TS」は「テクトゥルフ・ストーリーテラー(モルフェウスのチーム名)」の略だった、とのこと。

    二次創作だと言い切りましたが、それでもイングレス・ストーリーの歴史に残る一大イベントであったことは、間違いないでしょう。

  • MailEaterMailEater ✭✭✭✭✭
    編集済: 9月 2020

    …さて、そろそろ手持ちのネタが切れてきました(笑)。ここらへんで一度連載を終え、後は皆様からの質問にお答えする形にしたいと思います。ここまでお読みくださってありがとうございました!

    私もインベスティゲートしたい!最新のストーリー情報は、どこでわかるの?

    …と思ってくださったのなら、ぜひプロジェクト・リュケイオン(Project Lycaeum)のテレグラムへお越しください。多くのインベスティゲイターたちから、国内外の幅広い情報が集まっています。ガチ勢もいますが、雑談もあり、ネタトークもあり、ROM(読むだけ)参加の方も沢山います。初歩的な質問も大歓迎です。ほとんどは日本語進行ですので、お気軽に!

    チャットに入るより、もう少し独自に調査や考察をしたいという方には、Project Lycaeumのウェブサイトが役立つと思います。解説は最小限で、オリジナルに忠実な翻訳が中心となっています。

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