Mission Day at Sea X-faction Memories 02-1 Day Two Ship Day

CrystaTechCrystaTech ✭✭✭
編集済: 12月 2019 SITREP

Mission Day at Sea - DAY2 船上の日 -

お散歩AGの @CrystaTech です。

2019 11/3~11/9開催の、海のミッションデイ『Mission Day at Sea』SITREP、『Mission Day at Sea - DAY1 出港 - https://community.ingress.com/jp/discussion/7497/mission-day-at-sea-x-faction-memories-01-day-one-sail-away 』からの続きです。


Mission Day at Sea - DAY2 船上の日 -

目が覚めた。まだ早朝か。カーテンの隙間から漏れる陽の光はまだ弱かった。

旅先で短時間しか眠れないのはいつもの事だ。今日は二度寝する時間なんて幾らでもある。

時間を確かめようとiPhoneを手に取った。6時を数分過ぎたところだった。ソフトバンクから昨日とは別のSMSが来ている。


『ご乗船の船は船内ケータイサービスをご利用いただけます。データ定額サービス対象外の為、通信料が高額となる場合があります。』


...おおこわ、まさかこんなの、勝手に繋がらないだろうな?

Wifiのシグナルを拾っていない事に気づく。船内Wifiはお世辞にも安定しているとは言えない。何らかの理由でキックアウトされたのだろう。

その時、TGの通知が入った。インターネットに接続されていないのに何故だ?...まさか!

設定を確認するとCELLULAR AT SEAと言う電波を拾っている。コイツなのか?

そして、昨日海外パケット放題に繋がらないように確認したデータローミングが何故かONになっている。

スクロールして行って指先が凍りついた。相当なデータ量の通信が行われていた。

慌ててローミングをOFFにして、機内モードにする。


何だこれ...何だこれ...

Wifiにログインし直し、船上ケータイについて詳しく調べる。

『世界対応ケータイ』機種のサービスの1つで、加入料金は無料。月額料金もかからない。

アメリカ本土でお世話になった『アメリカ放題(←これは月額料金がかかる)』や昨日ノーサンキューした『海外パケット放題』のお仲間。船上では領海内では各国のキャリアが利用できるが、公海に入るとこの『船上ケータイ』が利用できるとの事。スマホが世界対応ケータイの機種で、設定の条件が揃っていれば勝手に繋がってしまう。そしてデータ定額ではない...


つまり、私が寝ている間にどこかの国の領海(恐らくキューバ)を抜けて公海に入り、この船上ケータイとやらに繋がってしまったのだろう。ベッドに入ったのが0時を回っていたから数時間ぐらいだろうけど、このデータ量、これは一体どうした事なんだろう。何故ローミングがONになっていたのだろう。


あぁ、もう訳がわからん、兎に角これは良くない。嫌だけど、嫌だけど、本当にマジで嫌だけど、通信料を計算しよう。


............


56万円ぐらいだった......分かる範囲だけで...

これが所謂パケ死ってやつか......


しかし幾ら何でもそれはなくないか!?寝てる間に勝手に繋いで、ローミングONになってて、何かの間違いだ!

ソフトバンクの国際コールセンターに電話して事情を説明すると、SMSの請求などは来ているが今のところ他の請求は来てないと言う。ただ、反映されてない可能性があるので1~2日待ってくれと。

やだ...待ちたくない...今すぐ知りたい...無事なのか、重症なのか、もう死んじゃったのか知りたい...死んじゃったなら死んじゃったで開き直るから...わかんないのが何よりも一番イヤだから...


ウニとクマにもTGで事情を話した。

『愚痴を聞くし、気晴らしに朝食においでよ。』とウニ。

『1回目は助かる場合が多いから』とクマ。


ボサボサの髪を梳かす気力も無く、朝食会場である11階のビュッフェに行く。内容は、アメリカの朝ごはんと言えばこれだ、と言うものが全て揃っている。

そう、全てだ。スクランブルエッグにカリカリベーコン、スコーンにグレービーソース、オムレツ、ハッシュドポテト、オートミール、フレッシュなフルーツetcetc...

2人を待たせてしまっているので、適当にバサバサと皿に放り込む。炒めご飯と生ハムはちょっと朝ごはんとしては新鮮だ。

『クリスタさん、大丈夫だって。やらかしても1回目は助かるから!』

『寝てる間に繋がったんだろ。それで50万とか、あり得ねーだろ』

『もしそんな請求来たら、俺ら一緒に殴り込みに行ってやるから!』

2人が励ましてくれる。本当に頼もしいな...。これ1人だったらもう負けてた。ホント色々負けてた。

普通の女だったら『わぁーん!ありがとうー!』と2人に抱きつくシチュエーションだと思うが、それ以上にテンパっていた私は、

『ぜってぇ払わねぇ...こんなのぜってぇ払わねぇ...払わねぇからな...』

そうブツクサ言いながら生ハムを肉の部分と脂の部分を分けて別々に食べながら(←私の癖である)パンをちぎっては食べちぎっては食べしていた。

後から2人に聞いた話によると、この時の私は顔に血の気がなかったらしい。『まぁ、普通そうなるよね』、と。


『昼まで寝直します。2人は、船内のその、アトラクションとか...楽しんできてください。すみません。』

そう言って部屋に戻った。旅行に行く時に携帯する睡眠薬と、副作用で眠くなる鼻炎薬をミネラルウォーターで喉に流し込んだ。あー、帰りにバーカウンターでビールかなんか貰って来るんだったなぁ。ちくしょー、旅は始まったばかりなのに、もう躓いちまった。不貞寝だバカヤロー。


......................

スマホのアラームが鳴る。昼だ。

正直そんなにお腹は空いてないけど、取り敢えず昼飯は食べておかないと、夕食まで長いからな。化粧をする為に鏡台の前に座る。ひでぇ顔だ。

いつにもまして縮こまっている頭の中のポジティブ野郎を無理くり引き摺り出す。『いいか、ここは海のど真ん中だ。どうにもならない事を今心配しても何も良い事は無ぇ。今は忘れるんだ。そうじゃなけりゃ、何も楽しくないし、友達にだって、通夜みたいな辛気臭い顔見せ続けるんか?気分を切り替えろ。』


15分後、私は11階の昼食ビュッフェのご馳走の山を前にテンション爆上がりしていた。

やれば出来るじゃねーの。ポジティブ野郎が今までの人生の中で一番仕事した瞬間じゃないの?


ビュッフェはおかずの種類がとにかく多い。全部食べてみたいからって、一口ずつプレートに乗せて味見したとして、それだけでお腹いっぱいになってしまう種類の多さじゃないだろうか。調理スタッフのおじさんがターキーの丸焼きの脚を摘んで肉を削ぎ落としている。昼から豪勢な。明日からは昼の時間帯はツアーに出るから船の昼食は利用しない。何だかすごく勿体無い気分になる。

カリブ海シチューというのがあったのでそれを取ってみた。

ビーフがやたらとゴロゴロ入ってて美味しいんだけど、カリブ海風ってこんな感じなの?ご飯に入っている豆は何だろう。ウニ達は屋上の波乗りボードで楽しんだらしい。TGに写真が来ていた。運動神経ゼロの私がやったら100%すっ転んで怪我をする。

外は晴れていて明るい。

15時頃、MDASの参加者の交流カクテルパーティーがインペリアル・ルームと言うアジア調のゴテゴテした内装の大きな部屋で開かれた。ウエイターがカクテルやワインを次々に運んできて飲み放題。青いカクテルを飲んでいるクマを茶化すと 『緑色のカクテルが無いんだもん』 と答えが返ってきた。


ウニは特注の緑色の半纏で会場に来ていた。

後から2人が得意げな顔をして緑色のカクテルを見せてきた。話を聞いたら 『青のカクテルとオレンジのカクテルを混ぜて緑色にした』 らしい。

調合までするか!!根性や!!結構ベロンベロンに酔いながら、参加者と不審者カードや手持ちのSwagの交換などをした。


解散後、またウニクマルームで飲み直す話になり、バーカウンターで酒を頼む。酒を飲みまくると水が欲しくなるので、ペットボトルの水(500cc)を3本!とオーダーしたら1回に2本まで!と言われてしまった。

それで作戦を思い付いた。蓋のある酒類を複数頼んで部屋でパーリィーしようじゃないかと。『ブルームーン2つ!』早速オーダーしたら、酒類のオーダーは1回に1本までと言われてしまった。我々の甘い野望は一瞬にして崩れ去った。一々広い船の中を歩いてバーと部屋を行き来するのが面倒臭ければ、有料のルームサービスを使えと言う事であろう。

この件でそのバーテンに顔を覚えられ、行くたびに『水2本ね?』と言われるようになってしまった。


ウニクマルームのバルコニーで夕陽を眺めながら、晩について話す。

その日はフォーマルナイトで、ドレスコードがある。

TGでもフォーマルナイトについては相当前から話題になっていて『どの靴がいいかしら?』と靴やドレスの写真をアップする人がいたりした。よくパーティーをするアメリカ人はドレスの1着ぐらいは持っている事が多い。なのでみんな気合いが入っているのである。我々は...と言うと、考えてもよくわからないので適当にやる、と言う結論に落ち着いていた。

ウニは先ほど着ていた特注のえんらい半纏で出るらしい。民族衣装系だから普通にいけるのではあるまいか?クマは普段着以外は特に用意していないようだった。

『タンクトップに短パンにビーチサンダルとかそんなレベルじゃなければ多分大丈夫じゃない?』

『まさかディナーの会場から追い出されるってことは無いだろう』

...と言いつつも、TGでのAG達の気合いの入りっぷりに微妙に不安な日本人3名であった。


さて、20時になり、各々の『フォーマルウェア』で集合する。

クマはポロシャツにカーキのパンツ、私はレトロなSF映画の宇宙船の乗組員の制服のようなよく分からない服装をしていた。他の人はどうかと言うと、女性はやはりドレス姿の人が多くて、男性はスーツでキメキメの人からクマのようにラフな感じの人まで色々だった。何だ、そんなに厳しいわけではなさそうだ。ドレスコードは雰囲気作り用なのかな?

食事の時間まで迫っているのに、どうも周りが混み合って列のようになっていて動かない。人々が着飾った姿で螺旋階段の上で記念写真を撮っていた。

カップルで来ている客なんかは良いが、MDAS勢は大所帯なので時間がかかっていたのだ。写真は欲しければ階下のフォトブースでダウンロードするなりして買うものらしいけど、買った人はいるのだろうか?


夕食のメインは『本日の魚』を選んだけど名前を覚えていない。何せ、調べたけど日本語名が見つからず。『スズキ目ニベ料』と言う何のヒントにもなりそうも無い大雑把な情報しか無い。


明日は初めての上陸である。グランドケイマン島にてミッション+現地AGの主催するシュノーケリングツアーに参加する。

『今日は一杯でやめておこう。二日酔いでシュノーケルとか最悪。』

そう言うと、ウニが『耳抜きがやりにくくなるしね』と言った。

ウニはシュノーケリングやダイビングが趣味らしく、潜ってウニと一緒に遊ぶのが好きと言う。それでAG名が『uni8』らしい。ディナールームから去る際、ウニがパンを幾つかテーブルから貰っていた。明日は初めて船の外に出る。途中でお腹が空いたら困るからね、と。

うーん、用意周到。でもこう言うのは旅行において実は大切なテクニックだったりする。


部屋に戻って翌日の準備をする。

グローバルSIMを入れた古いiPhoneを忘れずに充電する。鞄にはパスポートを必ず入れるように指示されている。ケイマン諸島はイギリス領である。何かあった時にパスポートが無ければ大変だ。

フォーマルナイト用に持って来た踵の高いサンダルを履いていたからか右足の小指が妙にヒリヒリする。嫌だなぁと思いつつも、翌日の事を考えて私はワクワクしながら布団に入った。


写真:@CrystaTech @coverlet @uni8

次:Mission Day at Sea - DAY3 グランドケイマン島 -

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